子どもの成長と教育実践の事実に寄り添いながら、未来への可能性を語り合う
本専修は、新たな教育・学習社会を創造する学校教員の養成を目指しています。
教育問題は、国民全体の関心事です。学校では、日々新たな課題が提起される一方、豊かな教育実践が蓄積されています。今、学校には、学級崩壊、いじめ、学習意欲の低下など、深刻な状況に置かれている子どもたちがいます。私たちの研究は、こういった現代の学校における教育実践のありかた、子ども同士の関わり合い、人間としての発達を見据えながら行われています。
本専修における学生たちの学習と研究は、子どもを理解し、子どもの成長に寄り添い、教育現場の事実と対話することを通して行われていきます。たとえば、学校にでかけて、教師と子どもが作り出す教育実践の豊かな様相を見つめながら、教育実践の在り方について考えていきます。そして、子どもの発達、学習、人間関係や社会関係、人間形成など様々な側面から子ども理解を深めていきます。
心理・教育実践学専修は、教育心理カウンセリング専修と学校教育臨床専修を統合し、2015 年度に誕生した専修です。本専修では、日々、生成される教育の実際に参加しながら、子どもの理解への新たな在り方について追究することができます。あなたも、私たちの、私たちがつながる教育現場と子どもの革新的な実践と研究の「学びの道づれ」になりませんか。
こんな授業 こんな研究
中井 大介 准教授
私の専門は発達心理学、学校心理学です。発達心理学では、主に、時間経過(加齢)によって生じる人間の発達的変化を研究します。また、学校心理学では、主に、学校教育における児童生徒への心理学的な援助を研究します。その中で、私は「青年期」を対象に研究を行っています。青年期とは12歳頃~35歳頃の年齢を指します。青年期は、心理面、社会面、身体面で大きな変化が起こり、自己を模索する大人への移行期にあたる時期です。そのため、人間の発達にとって非常に重要な時期ですが、その分、不安・いらだち・反抗など精神の動揺が見られる不安定な時期でもあります。皆さんもまさにこの青年期の真っ只中にいるのですね。このような青年期には、「重要な他者」との信頼関係が重要とされています。皆さんも悩んでいるとき誰かに話を聞いてもらうと安心しますよね。そこで私は、「信頼感」を中心として、青年期の「重要な他者」との信頼関係についての研究を行っています。具体的には、青年期の若者の「親」「友人」「恋人」「教師」に対する信頼感を研究しています。心理学的な青年期の対人関係の研究に興味がある方の入学を楽しみにしています。
磯田 三津子 教授
教育実践学について、私は、小・中・高等学校の日々の実践と寄り添いながら、そこで起こっている様々な出来事から学ぶこと、そして更にそれを理論化していることであると考えています。
私の研究の一つは、在日外国人児童生徒教育です。具体的には、外国につながりのある子どもたちと日本の子どもたちが仲良く、一緒にたくさんのことを学べる学校環境づくりについての研究です。そのためのヒントは、教育理論の本の中にあるかもしれません。しかし、私は、その重要な手がかりについて、いろいろなクラスを参観し、先生や子どもたちのことばや姿から学ぶことができると考えています。教育実践学は、様々な教育実践の実際に関わり、豊かな教育の在り方について自分なりのイメージをつくっていくことができる学問なのです。
主な授業科目
発達心理学概論、心理カウンセリング実習、カウンセリング概論 他
教育における臨床の知、教材づくりと授業展開、学校・地域とカリキュラム編成、教師の成長と教師教育、メディアと学習支援 他
学生の声
3年生
教員として子どもと関わるには、子ども理解が欠かせません。そして時にはカウンセラー的側面から子どもに寄り添う場面もあるでしょう。心理・教育実践学専修では、人の内面に焦点を当てながら、発達や学習、人間関係などのアセスメントを学びます。「心理学」と言ってもその領域は幅広く、自分の興味のある分野の問題について、面接やアンケート調査、実験などを行います。また、温かい先生や学生が多く、アットホームな雰囲気の中で講義やゼミが行われているのも魅力だと思います。皆さんもぜひ心理専修で子ども理解を深めてみませんか。
3年生
教育実践学系では、学校教育の課題について、実際に現場で行われている実践をもとに学んでいます。また、そこから子どもたちのためにどのような学校、学級が作れるか、教員として何ができるかなどについて研究しています。私は、ゼミで「個別最適な学びと協働的な学び」について学んでいます。いくつもの実践例から、さまざまな教育の形や学びの形を見て、それを分析し、自分たちは子供たちのためにどんな実践ができるのかについて話し合っています。皆さんも実際に働く学校現場に則した研究で、教育に対する考えを深めませんか。