教育研究上の目的

自然界の多岐にわたる現象をその根源から解明する物理学ならびに物質の特徴を把握し新規な機能を持った材料・デバイスを実現する機能材料工学の両分野における高度専門教育を通して、基盤的学問の素養と幅広い視野を持つ、国際社会で活躍できる先端物質科学技術領域における専門家の育成を教育研究上の目的とする。

物理学コース

自ら作製した新物質を測定している大学院生

物理学コースでは、自然科学の基礎となる物理学の研究を通じて、研究や科学技術分野で必要な論理的で柔軟な思考力と問題解決能力をもつ高度な技術者および研究者の養成を行っている。物理学コースでは、極微のスケールから宇宙の巨視的スケールまでの諸階層における構成基本粒子の構造と反応機構や基本粒子間の相互作用の仕組を明らかにする研究、宇宙における高エネルギー現象の解明を目的とする実験的研究、最新の量子科学的手法(中性子散乱、μSR、放射光や種々の数値的・解析的理論計算など)を駆使し凝縮体の構造やダイナミクスの解明・新物質の作成とその多重極限環境下での物性の測定に関する研究を行っている。これらを通じて、種々の物質構造の基本や量子科学についての基本的な理解はもちろん、研究にかかわる計算・観測・実験を通して、広く問題解決能力と、情報処理能力を備えた国際的にも通用する人材の育成をはかっている。

物理学コースのホームページ

機能材料工学コース

レーザーを用いた光機能デバイスの開発

機能材料工学コースは、物性論の手法を使い、原子、分子レベルで物質を設計し、制御して新規な機能性材料を実現し、それを用いて社会の発展に寄与するデバイスを創出するための専門教育・研究を行っている。物理・化学的基盤の上にバイオテクノロジーとの融合領域を持つことを特長とする。

本コースには次の4学問分野がある。①量子井戸・超格子等低次元系の光物性、磁性および新規磁性材料、有機薄膜物性等を研究する量子物性工学分野。②太陽電池、薄膜トランジスタ等の半導体材料、誘電体材料、ハードディスク用高密度記録薄膜・ヘッド材料、水素吸蔵材料を作製し、デバイス化する量子デバイス工学分野。③ポルフィリン超分子材料、発光性高分子材料、超薄分子組織膜、分子認識機能を有する糖鎖カルボシランデンドリマー等を扱う分子設計・デバイス工学分野。④タンパク質やDNA等の生体高分子の進化を高速化できる進化分子工学によって創製された機能分子(人工抗体、人工酵素、変異蛍光タンパク質を含む)と機能材料をハイブリッドしたバイオナノマテリアルとシステム構築を扱う生体高分子工学分野。

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