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2026/01/22

それぞれの子どもにあった学びを実現

教育学部2015年度卒業生 長谷川翔平さん

Profile

さいたま市立大東小学校 教諭 長谷川翔平さん

さいたま市立浦和高等学校出身
2016年3月 埼玉大学教育学部学校教育教員養成課程教科教育コース社会専修卒業
2016年4月 さいたま市立つばさ小学校に着任
2021年4月 さいたま市立大東小学校に着任。現在に至る

かつて主流だった“一斉指導型”の授業から、子ども主体の“個別最適型”の授業へ――。さいたま市立大東小学校で、そのような学びを実現するために奮闘する長谷川翔平教諭は、埼玉大学教育学部の卒業生。実践している情報通信技術(ICT)を活用した授業の内容や、大学時代の経験について語っていただきました。

ICTで個別最適な学びを実現!

――まずは仕事内容について教えていただけますか。

長谷川先生 小学校3年生のクラス担任をしながら、学年主任と学校課題研修主任を務めています。

――クラス担任や学年主任の仕事はイメージしやすいですが、学校課題研修主任としては、どのような仕事をしているのでしょうか。

長谷川先生 授業改善や学校全体の研究を進めることが学校課題研修主任の役割です。現在、力を入れているのは、ICTを活用した“個別最適な学び”(1人ひとりのペースや理解度に合わせた学び方)や“協働的な学び”(友達と協力して学ぶ方法)の研究と実践。本校は、昨年まで文部科学省から「リーディングDXスクール事業」の指定を受け、先進的なICT活用研究事業に取り組んできました。その成果もあり、「さいたま市内でICTを使った個別最適な学びを行っている学校といえば大東小」と認識されるようになったと思います。

――ICTを取り入れた学びを実践しているということは、授業の姿はかつてとは大きく変わっていそうですね。

長谷川先生 そうですね。1人1台ずつ配布されたタブレット端末とクラウド(インターネット上でデータを保存・共有できる仕組み)環境を使い、子どもたちが自分のペースや自分にあった方法で学んでいます。例えば、算数の授業では、子どもたちがクラウド上に保存された課題にタブレット端末からアクセスします。授業では、この課題に取り組みますが、取り組み方は子ども自身が選ぶのが特徴。1人で取り組む児童もいれば、グループで取り組む児童もいる。そして、それぞれの取り組み状況や成果は、子どもたちがクラウド上の共有ツールに記載していくので、教師はそれをリアルタイムで確認しながら個々にアドバイスをしていきます。そうすることで、子どもの理解度にあわせた指導ができるのはもちろん、主体的に学ぶ姿勢を養うことにもつながるのです。

――授業以外にも、先生方の働き方を変える工夫をされていると伺いました。どんな取り組みでしょう。

長谷川先生 ICTを教員の業務改善に活用する取り組みも進めています。こちらもクラウド環境にある情報共有ツールを使い、教材や授業データを蓄積・共有する仕組みを整えました。先生同士の得意分野の知識やノウハウを集約できるようになり、授業の準備時間の削減だけでなく、学校全体で授業の質が上がったことが大きな成果です。

――担任として、子どもたちと向き合うときに大切にしていることはありますか。

長谷川先生 子どもたちが、自らの成長を実感できるようなコミュニケーションを心がけています。例えば、子ども1人ひとりに向き合い、成長したところはきちんとほめてあげるというようなことですね。また、子どもたちが、生涯、自主的に学び続けられるようになることを目指し、学び方そのものを教えることにもこだわっています。たとえ失敗しても、その経験を次に生かせるような挑戦する気持ちを育てたいですね。

挑戦する姿勢を育む埼玉大学の学び

――先生が教員を目指そうと思ったのは、いつ頃でしたか。

長谷川先生 小学生の頃から、人に何かを伝えることが好きで、そんな思いが教員を志す原点になりました。その後、埼玉大学教育学部に進学しましたが、当初目指していたのは高校の社会科の教員。しかし、大学の授業で小学校の教育現場に直接関わったことが転機になりました。子どもたちが純粋に努力する姿を目の当たりにして「小学校で働きたい」と強く思ったのです。

――埼玉大学に入学した背景には、どのような思いがあったのでしょうか。

長谷川先生 埼玉県で教員になりたかったので、地元の国立大学である埼玉大学に進学したのは自然な流れでしたね。自宅から近く通いやすかったことも、選んだ理由の1つです。

――いまの仕事に、埼玉大学での経験が生きていると感じることはありますか。

長谷川先生 社会学のゼミでの研究は、今でもよく覚えています。研究テーマは、観光地として知られる埼玉県川越市の観光に関するもので、レンタサイクルを利用する観光客にインタビューを行い、その有用性や満足度を調査しました。街頭に立って声をかけるのは初めてで、とても緊張しましたが、勇気を出して挑戦したことで「新しいことに挑む力」が培われたと思います。研究を通じて育まれた探究心とともに、現在の授業改善や研修活動につながっているのは間違いありませんね。あと、学校フィールド・スタディ(大学生が実際の教育現場で教員の補助を行う制度)を利用して、教育現場に関わった経験も、子どもたちと真剣に向き合う心構えを養うよい機会になりました。

――最後に、これから進路を考える高校生に向けて、メッセージをいただけますか。

長谷川先生 教師の役割は、子どもたちの成長を見守り、支えることです。その瞬間に立ち会えるとき、言葉では言い尽くせないほどの喜びとやりがいを感じます。個人的にはこれほど充実感のある仕事はないのではないかと思っていますが、もし教師を志すなら、埼玉大学教育学部はおすすめです。教員採用試験に向けたセミナーの開催や、校長経験者が務める教職指導員から直接アドバイスを受けられたり、教職に関する様々な資料が閲覧できたりする教職支援室の設置など、支援体制が整っているので、安心して学びを深めることができると思います。

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