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2023/07/03

医療機器の安全性を担保すること――それが生物学的安全性評価担当者の使命です

大学院理工学研究科 2010年度修了生 間舘一憲さん

Profile

オリンパスメディカルシステムズ株式会社間舘一憲さん

埼玉県立春日部高等学校出身
2009年3月 埼玉大学理学部生体制御学科卒業
2011年3月 埼玉大学大学院理工学研究科生命科学系専攻生体制御学コース修了
医療関連サービス企業を経て、2016年5月にオリンパスメディカルシステムズ株式会社 入社
現在、同社 医療評価技術 生安性評価技術 技術1 スーパーバイザー

食道や胃、腸など、臓器の内部映像を見ながら、検査や治療・処置を行うことができる内視鏡。オリンパスメディカルシステムズは、この最先端の医療器具である内視鏡の開発や製造を行っている企業です。そんな同社の医療評価技術 生安性評価技術で活躍する間舘一憲さんは埼玉大学の卒業生。今回は、間舘さんに仕事のやりがいや大学時代の思い出について語ってもらいました。

安心して利用してもらうために
医療機器の安全性を評価

オリンパスメディカルシステムズは、内視鏡をはじめとする医療機器の開発・製造を行う企業。その中で私が在籍する「医療評価技術 生安性評価技術」という部署では、開発した医療機器が、問題なく人体に使用できるかについて、評価を行っています。
たとえ設計上は安全に配慮されていても、実際に使ってみると想定外のことが起こる可能性は脱いきれません。そこで、製品が世の中に出る前に動物や細胞を用いて試験して集めたデータを分析します。そうすることで製品の安全性を見極めていくのです。

当社が扱う製品は、内視鏡やそれに付随する処置具(内視鏡内に挿入して、検査のための細胞組織の採取や病変を切除する器具)などですが、私たちの部署では常に10数製品の評価を担当しています。このような話しをすると「意外とたくさんの製品を評価するのだな」と思う方がいるかもしれません。

例えば、内視鏡なら、患者さんの負担を軽くするためにスコープを細くしたり、撮影する画像の精度を高めたり、性能や機能は進化しています。それに伴って、形状が変わったり、新素材が使われたりすれば、改めて評価する必要があるため、担当する製品の数は多くなるのです。

時代の要請に対応する
新たな評価方法の立ち上げも

評価を行う以外にも重要な仕事が存在します。それが評価方法の改善や新たな評価方法を見出すこと。
例えば、現在、生物学的安全性評価の領域では、動物を用いた試験を減らしていこうという機運が高まっています。そこで、動物を用いた試験の代替となる試験や評価方法を取り入れることが求められるのです。また、グローバル各地の安全基準のガイドラインが変更になれば、それにあわせた評価方法を見出さなければなりません。
実際に、私が立ち上げた評価項目が、当局に認められ、それが当社のスタンダードになっているものもあります。


自分が評価した製品が医療に役に立っていると実感できることは、この仕事の大きなやりがいです。さらに、大学や大学院、前職(編注:間舘さんは現職に就く前に、医療関連サービス企業で医薬品開発支援業務に従事)での経験が活かせることや新しい気づきがあることも魅力の1つですね。
社内は、真面目な社員が多い印象です。皆それぞれの仕事に責任をもって真摯に取り組んでいます。かといって、他の社員とのコミュニケーションをないがしろにする訳ではなく、周りの人や他の部署に相談しやすい雰囲気もあります。若手でも意見が言いやすい風通しのよさもあり、とても仕事がやりやすい環境です。

とても恵まれていた
埼玉大学の研究環境とは?

埼玉大学には、大学時代と大学院時代合わせて6年間在籍していました。その内、大学4年生からの3年間、小林哲也教授の研究室で取り組んでいたのが、突然変異マウスの研究でした。突然変異により生まれた成長遅延症マウスと正常マウスを組織や細胞、タンパク質レベルで比較して、どのような違いがあるのかを解明しようとしていたのです。
振り返ると、小林哲也教授の研究室は恵まれた環境だったと思います。
大学院の経験豊富な先輩方と研究を行うこともあり、チームで研究を進めるノウハウを身につけることができたと思います。また、他大学の研究室との共同研究を担当し、外部からの刺激を受けながら研究を進められたことも良い経験になりました。
このような経験が、現在仕事をする上でも役立っていることは言うまでもありません。
現在は、チームリーダーとして、現場に立っていますが、今後はメンバーが自律的に動けるチーム作りを目指していくつもりです。
学生時代の指導教員であった小林教授は、学生の主体性を重視してくれる方でした。私も理想のチームを作るために、小林先生の学生に対する姿勢や考え方をお手本にしたいですね。


さて、社会人になると様々な制約の中で仕事をしていかなければなりません。それに比べると、大学時代は制約や失敗をそれほど意識せずに好きなことができる環境だと言えます。ですので、大学時代には、研究をはじめ、いろいろなことを経験して、たくさんのことを吸収していくべきだと考えています。そして、1つのキャンパスにすべての学部が集約されている埼玉大学には、幅広く学べる環境が揃っているので、ぜひ埼大生には、自分の「好き」という気持ちに従って貪欲に学んで欲しいですね。

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