2021/11/29
経営の意思決定に直接貢献するデータを扱っていることがやりがいです
経済学部2017年度卒業生 金 サンアさん
2021/11/29
経済学部2017年度卒業生 金 サンアさん
2018年3月 埼玉大学経済学部経済学科卒業
2018年4月 カルソニックカンセイ株式会社(現マレリ株式会社) 入社
埼玉県さいたま市に本社を置くマレリ株式会社は、アジア、米州、欧州、アフリカに約170の拠点を持ち、世界規模で事業を展開する自動車関連部品メーカー。今回は、そんな同社のグローバル経理本部で活躍する埼玉大学の卒業生にお話しを伺いました。
当社は、日本で生まれた「カルソニックカンセイ」とイタリア発祥の「マニエッティ・マレリ」という2つの自動車関連部品メーカーの経営統合を経て、2019年からマレリという社名で事業を展開しています。
企業としての特徴は、エンジンの排気システムや空調、内装、電子部品など、幅広い製品を扱っていることと、世界規模で事業を展開していること。それはアジア地域を中心に事業を進めてきた「カルソニックカンセイ」と、グローバルでビジネスを拡大してきた「マニエッティ・マレリ」の経営統合によるところが大きいと思います。
そのような事業を進める当社の業務の中で、私が担当しているのは、購買データの集計業務。購買データとは、製品を作るために必要な材料や設備などを調達する購買業務に関するデータで、世界各地の拠点ごとに購買担当者(バイヤー)が、実際にどのようなものをどのくらいの金額で購入したのかを、毎月、本社で集約していきます。そして、次年度の予算を決めるなど、意思決定に役立てるため、経営陣向けの資料にまとめるのです。
私が入社したのは、経営統合前の「カルソニックカンセイ」でしたが、当時からグローバルビジネスの拡大を図っていて、大学時代に身につけた英語力を生かせると考えたのが、入社を決めた理由でした。
実際に現在の仕事では、世界各地のバイヤーと頻繁に連絡を取りますし、役員とのコミュニケーションも英語。英語を使って仕事がしたいという希望は叶えることができています。また、環境問題に関心を抱いていたので、電気自動車向けの製品開発や環境に優しいエンジンの開発などに積極的に取り組む経営方針に惹かれたことも志望動機の1つでした。
当社の前身である経営統合前の両社とも、常に新しいことに挑戦し、革新を起こし続けてきた長い歴史を有しますが、その精神はいまも息づいていて、製品開発に限らず、社員の様々な挑戦を後押しする雰囲気があるのは間違いありません。そして、社員たちも一人ひとりが挑戦を成功に導くために日々努力を続けています。私の場合は、経理や財務の知識やスキルを向上させるための勉強を進めていますし、入社時から海外で仕事をしたいと考えているので、そのために必要な勉強にも取り組んでいくつもりです。
いずれにせよ、自動車業界ということもあり、活躍する女性の数が少ない中で、事業に貢献するためにも、様々な挑戦をしていきたいですね。
私の出身地である蔚山(ウルサン:大韓民国南東部の都市)が「現代(ヒョンデ)自動車」のお膝元で、自動車産業の労働者問題に興味があったこともあって、大学時代は自動車産業の労働問題を専門とする禹 宗杬教授のゼミに所属しました。
これまであまり意識したことはありませんでしたが、現在も自動車関連の仕事に就いていることを考えると、不思議な縁を感じますね。
ゼミは自動車産業以外にも、様々なテーマで研究しました。特に印象的だった研究内容が、立教大学と中央大学との共同ゼミで取り組んだ「ある企業が業界のリーディングカンパニーになるにはどのような戦略を立てればいいのかについての考察」です。
その際に得た知識やメソッドは、当社の意思決定でも使われているので、経営層の話を理解する上でとても役に立っています。
大学3年生の時のドイツへの留学経験も、私を成長をさせてくれました。英語力のアップはもちろん、国や地域による文化や考え方の違いを肌で感じられたことは大きな収穫でした。
例えば、ドイツの大学では、お昼休みにビールを飲んで、午後から授業を受ける学生は珍しくありません。つまり「ビールを飲んでもいいけど、自己責任で」という考え方なんです。現在の仕事では、欧州のバイヤーとコミュニケーションを取りますが、そのような考え方は、日本の常識では理解できないことも多い。しかし、彼らは決して不真面目な訳ではありません。私は留学時に、そのような考え方に触れているので、お互いの考えの違いがわかるため、仲介役を買って出ることもありますね。
いま振り返ると、先生や職員の方をはじめ、たくさんの人に助けられた大学時代でした。入学する前、埼玉大学には、キャンパスがこじんまりとしているから、人の絆が強そうだというイメージがありましたが、その通りだったと思います。
何かやりたいことがあれば、全力でサポートしてくれる環境が整っているのが埼玉大学の魅力です。先生も、職員の方も相談には親身になって応えてくれますし、学びのためのプログラムも充実しています。例えば、留学するにしても、交換留学制度のほか、ダブルディグリープログラム(埼玉大学と留学先の大学の両方の学位が取得できる制度)もありますし、海外協定校の数が多いのも特徴の1つ。
受験生の皆さんが埼玉大学に入学したら、ぜひ、そのような環境を活用して、自分のやりたいことに果敢に挑戦して欲しいですね。