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2023/09/25

【経済学部】経済学の理論を活用して環境問題を解決!

経済学部 メジャー:国際ビジネスと社会発展/有賀研究室

環境問題を解決するには、その原因となっている人々の行動を変える必要がある――そのような考えのもと、日々の研究に取り組んでいる本学経済学部の有賀健高教授。専門の環境経済学とは、どのような研究分野なのか? そして、具体的にどのような活動を行っているのか? これらの疑問の答えについて、有賀教授に語っていただきました。

経済理論×統計データで
新たな知見を得る

私が専門としている環境経済学は、気候変動、大気汚染、生態系の破壊、資源枯渇などの環境問題を扱う経済学の一分野です。平たくいえば、経済学の手法を使って、環境問題を分析し、解決策を考察していくものになります。

具体的には、経済学の理論に基づいて、必要なデータを収集し、統計学的な分析を行います。例えば、環境税(環境負荷を及ぼす物や活動にかける税金のこと)を導入したら、人々の意識や行動はどのように変化するのかをデータを用いて明らかにするという具合です。

場合によっては、独自調査によるデータ収集したり、分析をもとに立案した施策の効果を測定するための社会実験を行ったりと、実際の活動は幅広いものになっています。

日本では活用が限定的な
グリーンボンド普及のために

現在は、グリーンボンドに関する研究に取り組んでいます。グリーンボンドとは、環境問題の解決を目的とした事業を行う資金を調達するために、企業などが発行する債券のこと。私は、この債券に対する投資家の意識を明らかにしようとしているのです。

例えば、グリーンボンドを購入する際に投資家がどのようなことを重視するかがわかれば、グリーンボンドを発行する側は、効果的にグリーンボンドを売り込むことが可能になります。海外に比べると、日本のグリーンボンドの市場はまだ小さいのですが、この研究が実を結べば、日本におけるグリーンボンドの普及を促進できるでしょう。そうなることで環境保全だけでなく、日本経済の活性化にもつながることを期待しているのです。

これまでの研究で、投資家は、グリーンボンドの「格付け」や「資金用途についての報告書」「第三者認証」といった要素を重視する傾向が強いことが明らかになりました。また、環境意識が高く、利他的意識のある投資家ほど、利回りが低くてもグリーンボンドに投資してもよいと考えていることもわかっています。

今後は、この研究をさらに突き詰めていくことで政策提言などにつなげていきたいですね。

環境問題は人の経済活動が
引き起こしたものだから――

環境経済学の研究に取り組みはじめたのは、学生時代に目にした気候変動や環境破壊のニュースにショックを受け、これらの問題を解決する仕事に携わりたいと考えたことがきっかけでした。

当時は、環境学と環境経済学のどちらを専攻するか悩みました。結局、環境経済学を専攻したのは「人間の経済活動が原因になっている環境問題を解決するには、人々の行動を変える必要がある。そして、経済活動における人間の動きを分析する経済学の手法を用いる環境経済学なら、それを実現することができるのではないか」と考えたからです。

経済学というと、抽象的なことを研究しているイメージがあるかもしれません。しかし、環境経済学で取り扱うのは、私たちの目の前で起こっている問題。比較的、現実に近いところで経済学を論じることができるのは、ユニークな点だと思います。

また、社会実験などを行うことで、人々の行動がどう変化し、環境にどのようなインパクトを与えるのかを目の当たりにできることにも面白味を感じています。

有賀教授よりMessageMessage

論理的思考力を養うことで、将来は組織を動かす人材に

環境経済学の研究には、経済学の理論に関するものはもちろん、自然科学や統計学、心理学など、様々な分野の知識が求められます。私の研究室に入ると、そのような幅広い知識を得ることが可能です。そして、経済学をどのようにして、現実の問題の解決のために利用すればよいのかが学べることも特徴の1つだと思います。
 研究室に所属する学生には、自分で問題を設定し、それを解決するためには何が必要なのかを論理的に考える力を身につけて欲しいです。だからこそ、できるだけ発表やディスカッションの場を多く設け、論理的ではない発言に対しては質問を投げかけるといった指導を行うよう、普段から心掛けています。

学生を成長させる多様性のある環境が魅力

埼玉大学経済学部は、経済学に限らず、法学や社会学など、幅広い学びが揃っているのが特徴。その中から面白いと思うものを見つけ、突き詰めていけるのは、学生にとって大きなメリットだと考えています。
 大学全体でいうと、キャンパスが1つなので、専門分野以外の授業を受けられることや分野の違う学生と接する機会が多いことは魅力的ですね。それに加えて、留学生や海外出身の研究者が多く、国際色が豊かなのも見逃せないポイント。そのような多様性のある環境で過ごす学生生活が、実り多いものになるのは言うまでもありません。
 そして、比較的、学生の数が少ないので、きめ細やかな指導を受けられるのもよいところだと思います。

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