2026/06/25
自分の強みを見つけて、自分らしい未来へ
キャリアセンター長 石阪督規教授に聞く、埼玉大学のキャリア教育
2026/06/25
キャリアセンター長 石阪督規教授に聞く、埼玉大学のキャリア教育

2000年、広島大学院社会科学研究科国際社会論専攻博士後期単位取得満期退学。その後、三重大学人文学部准教授、東京未来大学モチベーション行動科学部教授を経て、2016年に埼玉大学基盤教育研究センター教授に就任。2020年より現職
埼玉大学では「自分の長所を見つけて伸ばすこと」を大切にしています。そのために実施しているのが「キャリア教育」と「就職サポート」を一体にした、独自のプログラムです。今回は、この取り組みをまとめているキャリアセンター長の石阪督規教授に、大学に入る前に知っておきたいキャリア教育の内容や、入学後に活用できるプログラムについて聞きました。
――キャリアセンターにおける石阪先生の役割を教えてください。
石阪教授 埼玉大学キャリアセンターでは、「キャリア教育」と「就職支援」の両方を一体化した学生向けプログラムを提供しています。かつて本学では「キャリア教育」と「就職支援」は別々に行われてきましたが、2020年度から一体的に進める体制を構築。以来、キャリアセンター長として、支援内容の検討やプログラムの構築など、取り組み全体を統括しています。

――「キャリア教育」と「就職支援」はどう違うのですか?
石阪教授 「就職支援」が面接対策やビジネスマナーといった就職のためのテクニカルなノウハウの提供を目的とするのに対し、「キャリア教育」は、自身のキャリア構築に向けた意識やスキルを育てるためのもの。わかりやすく言うと「学生自身がキャリアビジョン(大人になった自分が、どう働き、どう生きていたいかという姿)を構築するためのサポートを行い、それを実現する力を育む教育」です。両方を連携させることで、学生にとって適切かつ効率的なプログラムを提供することが可能になっています。
――なぜ「キャリア教育」が大切なのですか?
石阪教授 例えば、キャリアビジョンが明確でなければ、就職先を知名度で選んでしまうこともあるでしょう。しかし、それでは、就職してから、仕事や会社が自分に合わないと感じて退職してしまう可能性があります。その点、「キャリア教育」で、キャリアビジョンを明確にして、自分に合う働き方や企業を見極められれば、そのようなことは起こりにくい。就職はゴールではなく、社会人人生の始まりです。つまり「キャリア教育」は、幸せで充実した人生を送るための準備として欠かせないものだと考えています。
――埼玉大学独自の「VSAT(長所発見テスト)」とは何ですか?
石阪教授 「VSAT」は、自分の長所を見つけるためのテストです。よくある「どんな仕事が向いているか」という適職診断とは違い、「自分の個性や強み」を明らかにします。テストといっても、良し悪しを判断するものではありません。例えば、「新しいものを取り入れようとする力」を指標化した「外向性」の数値が低い場合は、「着実に、コツコツと努力できる力」が強みとして見えてきます。そのようにして、自分の強みがわかれば、自信がつき、大学生活の過ごし方も大きく変わります。埼大生なら誰でも無料で受けられるので、ぜひ1年生のうちに受けてほしいですね。
――「VSAT」で見つけた長所はどう伸ばすのですか?
石阪教授 長所を伸ばすための教育プログラムを主に3つ用意しています。1つは「課題解決型プログラム」。これは実際の企業が抱える課題に対してチームで解決策を考えていく実践的な授業になります。2つ目は「日本企業論」という講義。毎回異なる企業から講師を招き、さまざまな企業の話が聞けるのが特徴です。そして、3つ目は「インターンシップ」です。単なる職場体験ではなく、それぞれの長所を伸ばすために内容をしっかり設計されたプログラムになっています。こうした実際の企業と関わるプログラムを通して、主体性やコミュニケーション力などを伸ばしていくのです。
――このようなプログラムに参加するのも早い方がよいのですか?
石阪教授 そうですね。3年生になって、就職活動が始まるといろいろと忙しくなるので、やはり1・2年生のうちから参加しておくことをおすすめします。
――受験生をはじめ、この記事を読んでいる読者の皆さんにメッセージをお願いします。
石阪教授 最近は就職活動が早く始まる傾向があり、企業も学生時代の具体的な経験やコミュニケーション力を重視するようになりました。そのため、早い段階から「自分はどう生きたいか」を考え、準備しておくことがとても大切です。入学したら、ぜひ早くから「VSAT」と「キャリア教育」プログラムを受け、キャリアビジョンを自分で考え、選ぶ力を身につけてください。