2024/10/25
みんな違ってみんないいを認め合える社会を目指して!
学生団体「Spring Up」の活動より
2024/10/25
学生団体「Spring Up」の活動より
岩下知歩さん
学校教育教員養成課程小学校コース芸術専修 4年
(埼玉県立熊谷西高等学校出身)
及川奈桜さん
教養学部現代社会専修課程 2年
(聖ウルスラ学院英智高等学校出身)
小室芽衣さん
理学部生体制御学科 3年
(宇都宮文星女子高等学校出身)
埼玉大学では、ダイバーシティ推進センターを中心に、ジェンダー平等、ダイバーシティ環境構築を進展させる取り組みを行っています。そんな取り組みの1つが、2023年12月からスタートした大学内24か所のトイレに無料の生理用品を設置するプロジェクト。実はこのプロジェクトは、本学の学生で構成する団体「Spring Up(スプリングアップ)」の提案により実現したもの。今回はこちらの団体に所属する学生3名に活動の内容について聞きました。
私たちが所属する「Spring Up」は、様々な社会問題に対してアクションを起こすことを目的に設立された学生団体です。活動理念は、「みんな違ってみんないいを認め合える社会づくり」というモットーのもと、「埼大生が声をあげられるプラットフォーム」の構築を目指すこと。対象とする社会課題の種類はあえて限定せず、メンバーの興味や関心に従って、アクションを起こすところが特徴です。イベントの開催や展示活動、SNS投稿による発信活動などを行っています。
さて、現在進めている取り組みの1つに「わたしのことあなたのことプロジェクト」というものがあります。これは来場者参加型の展示を軸にした取り組み。
まずはあらかじめ用意した質問に対する答えを、参加者に葉っぱのカタチをした付箋に記入してもらいます。そして、その付箋を木の幹が描かれた台紙に張っていくのです。
例えば、「自分は『男』?『女』?」という質問を用意することで、どのような要素で自分がその性別だと思うのかを考えてもらうきっかけにしてもらうわけ。さらに台紙に張られた他人の回答を見ることで、性には様々なあり方が存在することを認識してもらうことも期待できるのです。
取り組みはまだまだ途中ですが、今後も継続してイベントに参加することで、より多くの回答を得ていきたいと思います。
2023年12月、私たちの提案で、大学内の24か所のトイレに無料の生理用品を設置することに成功しました。
「すべての人が過ごしやすいトイレプロジェクト」と銘打ったこの取り組みは、女性用トイレだけでなく、みんなのトイレ、男性用トイレにも生理用品を設置。トランスジェンダー男性なども含め、すべての人が生理用品を利用できるようにした結果ですが、生理のタブー(生理を恥ずかしいものであるとしてタブー視し隠す風潮)を覆すという意図もあります。
なお、生理用品の購入費用は、埼玉大学のダイバーシティ推進センターが負担。生理用品の補充や管理なども同センターが担当しています。
現在、私たちが直接取り組みに関わることはありませんが、プロジェクトの課題を洗い出し、改善策を提案することは継続的に行っています。
なぜなら、私たちが当初掲げた理想は、大学すべてのトイレに無料の生理用品が設置されること。そのような状況を実現させるために必要だからです。
例えば、トイレに生理用品が設置されるようになっても、その狙いや背景が全ての学生に伝わらなければ、取り組みは広がらないでしょう。そこで啓蒙を図るべく、SNSやイベントなどで情報を発信し続けています。
なお、「すべての人が過ごしやすいトイレプロジェクト」の、取り組み内容は報告書にまとめています。ダイバーシティ推進センターのWebサイトからダウンロード可能なので、ご興味のある方はぜひご覧いただければと思います。
活動において、特に気をつけているのは「適切な言葉を選ぶ」ことです。
差別的なニュアンスが含まれている言葉を使わないのはもちろん、私たちの意図とは異なる内容が伝わってしまわないよう、言葉選びは慎重に行っています。特にSNSでの情報発信などは気を使いますが、団体の活動時だけでなく、日頃の生活でも心がけていることです。
「Spring Up」に入ってよかったと感じるのは、ジェンダーやセクシャリティの問題など、普段は身近な友達同士でも話しにくいテーマについて真剣に議論できること。
また、声をあげれば、何かしらの結果に結びつけられることが実感できたのも収穫の1つです。社会に感じる違和感に対して声をあげることは、誰にでも認められている権利だと考えています。なぜなら誰もがこの社会を構成する一員だから。
1人ひとりの声は小さいものなのかもしれません。しかし、周りに話して、それを聞いてくれる人がいれば、大きな力になる可能性があると信じています。社会に対して、何かしらのモヤモヤを感じているのであれば、私たちと一緒に声をあげてみませんか。たくさんの学生の皆さんの参加をお待ちしています。