2020/08/29
【工学部】仕事のコツを自ら学ぶロボットを開発して人の暮らしを豊かにしていくために
工学部 電気電子システム工学科 / 辻研究室
2020/08/29
工学部 電気電子システム工学科 / 辻研究室
2001年 慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業
2004年 慶應義塾大学理工学研究科総合デザイン工学専攻修士課程修了
2006年 慶應義塾大学理工学研究科総合デザイン工学専攻博士課程修了
2006年 東京理科大学工学部第一部機械工学科嘱託助手
2007年 埼玉大学工学部電気電子システム工学科助教
2012年より現職
人の代わりに様々な作業を行うロボットが、様々なシーンで活用されるようになりました。しかし、その一方で、ロボットにはできない作業もまだまだ数多く存在しています。私の研究内容は、そのような作業を行えるロボットを開発すること。ロボットが苦手な作業の代表が繊細な作業です。なぜかというと、多くのロボットはそもそも小さな力を検知できないから。小さな力を感じられないので、力の加減が出来ないのです。
そこで我々が開発したのが、従来比10分の1の微小な力を検知できるロボット用のセンサー。例えば、工場などで人の代わりに作業を行う産業用ロボットに、このセンサーを組み込めば、これまでは扱えなかったような傷つきやすい素材を使った製品の組み立てや、歯車を組んでいくといった細かい作業ができるようになります。さらに、軽く触れただけで人が接触したことが検知できるようになるため、安全性の向上なども実現できます。つまりセンサーによって小さな力を捉える感覚を持たせれば、ロボットは格段に賢くなれるのです。
このようなセンサーの他、人工知能プログラムの開発など、総合的にロボットの研究を行っていますが、最終的には、難しい作業をうまく行うコツを自ら取り込んでいく——いわばセンスがよいと言えるようなロボットの開発を目指しています。そして、わざわざ人がやらなくてもいいことをロボットが行うような世界の実現に貢献したいですね。
微小な力を調整して、繊細な組み立て作業ができるロボット