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2024/03/28

【工学部】 人と人の関係性をよくするためにロボットや機械はどうあるべきなのか――を考える

工学部 情報工学科/小林研究室

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  • 【工学部】 人と人の関係性をよくするためにロボットや機械はどうあるべきなのか――を考える

技術の進化と共に、様々なシーンでロボットが使われるようになりました。そして、これからロボットの普及はさらに進んでいくと考えられています。そんな中、重要視されているのが「ヒューマンコンピュータインタラクション」いう研究分野。人と、コンピュータや機械の関係性をよりよいものにするためのデザインを考えるという、この研究はどのようなものなのか?「ヒューマンコンピュータインタラクション」の研究に取り組む本学工学部 情報工学科の小林貴訓教授にお話を聞きました。

快適に利用できて、本当に人の役に立つシステムやロボットとは?

私たちの研究室で取り組んでいる「ヒューマンコンピュータインタラクション」は、コンピュータやロボットをはじめとする機械と、人の関わり合いをデザインし、それを実現するシステムの構築を行う研究分野です。

例えば、これまで取り組んできた研究の1つに、自律的に人と並走する買物カートがあります。これは高齢者の方がひとりでも安心して買物できるように開発したものですが、人が安全かつ快適に買物するには、単にカートが人の横について動けばよいという訳ではありません。買物する人はもちろん、周りにいる人の行動を妨げないようにしたり、商品棚と人の位置を判断して買物かごに商品が入れやすい位置で止まったり、様々なことを判断して動作することが求められます。

このようなことを実現するためには、カメラやセンサなどを駆使して、人の行動の計測を行い、予測するシステムを構築する必要があります。そして、システムをロボットなどに組み込み、実際の現場(編注:買物カートならスーパーマーケットなど)で実験し、そこで明らかになった課題を解消するためにシステムの改善などを行い、技術を磨いていくのです。

長年に渡って、この研究を続けてきて、このところ強く思うのが「社会課題の解決には人と人との結び付きが必要」だということ。それ故、現在は人同士の結びつきをロボットで支援するための研究に尽力しています。

先に紹介した自律走行型の買物カートであれば、360度カメラを設置し、機能をアップデートさせましたが、これも人同士の結びつきを考慮した結果です。これで離れた場所にいる人と買物する人がビデオ会議システムを介してコミュニケーションが取れるようになり、身体的な都合で買物に行けなくても、まるで家族と一緒に買物している感覚が楽しめるようになるのです。

きっと未来は明るくよいものに――そんな期待を胸に研究に邁進

研究対象が多岐に渡るのも、私たちが取り組む研究の特徴の1つです。

買物カートと近しいところでは、おむつやタオルなどの介護用品を介護者の指示通りに運ぶロボットや、自律的に走行する介護用車いすの研究もしています。これらは深刻な人手不足に悩む医療・介護業界の課題を解消することを目的としています。

変わったところでは、観客がペンライトを振ると、その動きに合わせて舞台上のアイドルの衣装が様々な色に光るシステムも開発。観客の身体の動きとアイドルの衣装がシンクロするこのシステムにより、これまでにないような一体感や興奮を味わうことが期待できますが、実際にアイドルとファンを集めて実証実験も実施し、一定の成果を得ることに成功しています。その他にも、作品のイメージをより鮮明に脳裏に焼き付けるサポートをしてくれる美術鑑賞のパートナーロボットなどの研究も進めているところです。

また、私たちの研究室では、人と機械の関係性をデザインするところから、実際にシステムをつくり、現場で動かすところまで、すべての工程を行います。だからこそ、機械を組み上げるノウハウはもちろん、人の行動を捉え、理解するためのセンシングやAIなど、様々な知識が求められます。得意分野や興味にあわせて、研究に参加できるのも特徴の1つです。

いずれにせよ、この研究の最終的な目標は、困っている人を助け、人々の生活を豊かにすることになります。現在、様々な研究テーマに取り組んでいますが、それぞれの成果が社会実装されていけば、社会は大きく変わるでしょう。きっと未来の社会は今よりももっと明るくなる――そのような思いを胸に、日々研究に取り組んでいます。

小林教授よりMessageMessage

技術者に求められる「現場力」が自然と身につく

人が使いやすいシステム構築を実現するために、試作機を作り、現場で動かし、現場の方の声を元に改善する――というプロセスを経るのが、私たちの研究室の流儀。そうなると現場でシステムが動かないことには取り組みは前進しません。しかし、現場ではどんなに準備をしていても、思いがけないことが起こってしまうもの。現場でシステムが動かず、その場でプログラムを書きかえたり、コンビニで売っているもので機械を修理したりして、何とか実験ができるようにすることも珍しくありません。
一緒に現場に行く研究室の学生は、私が個人的に「現場力」と称している、そのようなシーンでの対応力――何が起きてもやり遂げるスキルが嫌でも身につくと思います。
「現場力」は社会に出て仕事をする際にも大いに役に立ちます。学生達には、そんなスキルを活かして、取引先から個人名で指名されるような技術者として活躍してほしいですね。

世の中が進化してもブレなく活用できる知識やスキルが学べる

最新の技術ばかり追いかけても、身になる知識を習得するのは難しいと思います。例えば、いま話題の生成AIも、これまでの発展の中で培われてきた知見や技術を元に、ちょっとした工夫が施されているもの。つまり、技術を応用するにしても、基礎的な知識が必要不可欠なのです。
その点、埼玉大学工学部情報工学科は、しっかり基礎的なところから学べるカリキュラムを採用しているので安心です。今後、新たな技術が登場しても対応可能な知識を身につけることができます。
また、埼玉大学はキャンパスが1つに集約されているので、他学部の学生との交流がしやすいのも魅力の1つ。日ごろから学生達には「自分の視野を広げるためにも、大学に入ったら、今まで付き合ってこなかったタイプの友達を作りましょう」といっていますが、そのようなことを実現する上で、埼玉大学の環境は理想的なのです。ぜひ様々なバックボーンをもつ学生たちと交流して、自分自身の成長につなげてください。

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