All in One Campusで取り組む大学改革
下記については現在構想中であり、内容の変更があり得ます。
埼玉大学は、「ダイバーシティ環境の社会実装」を目指しています
埼玉大学は、基本方針として「知の府としての普遍的な役割を果たす」、「現代が抱える課題の解決を図る」、「国際社会に貢献する」を掲げ、教育、研究、社会貢献の機能を強化してきました。そして、令和4(2022)年度からの第4期中期目標期間では、ダイバーシティ推進拠点としての機能を強化するとともに、多様性と包摂性のあるキャンパスおよび地域社会の実現を目指しています。
令和4年度に設置したダイバーシティ推進センターを中心に、令和5年度は全学部生へダイバーシティ課題解決プログラムを展開し、更に令和6年度にはリカレント教育として社会人へ向けた履修証明プログラムを展開するなどダイバーシティ環境の社会実装を図っています。
また、令和8年度からはダイバーシティ環境の社会実装加速化期間として、教養学部に共生構想専修課程及び大学院人文社会科学研究科にダイバーシティ科学専攻(修士課程)の新規設置、さらに工学部に女子学生入学枠を設置、教育学部においては「共生ダイバーシティ社会の担い手づくり」を理念として改組を実施し、ダイバーシティ環境の社会へ実装を担う人材の育成を図り、地域が抱えるダイバーシティ環境の課題解決に資することを目標とします。
1. 工学部に女子学生入学枠の設置(入学定員20名増)
埼玉大学では、平成21年に男女共同参画室を設置し、翌年の「埼玉大学男女共同参画宣言」の表明以来、男女共同参画及びダイバーシティの理解促進、女性研究者・技術者の活躍推進、女性教員の採用・登用促進や次世代育成に取り組んでまいりました。さらに、令和2年には「埼玉大学ダイバーシティ宣言」を制定し、令和4年にはダイバーシティ推進センターを設置して、これまでの取り組みを一層強化するとともに、日本が世界的に大幅な遅れをとっているジェンダー平等やダイバーシティ環境の進展のため、地域や社会に多様性と包摂を尊重する環境を根付かせる努力を重ねています。 このような活動をさらに推進させるため、令和8年度入学者選抜から、新たに工学部に女子枠(学校推薦型選抜:募集人員20名)を設けます。
この施策を通じて、本学の教育・研究環境における多様性が一層促進され、現代の様々な課題に対処するための能力が涵養されること、さらには、女性研究者・技術者のロールモデルを増加させることで、能力のある女性たちがさらに理工系分野に関心を持ち、進学が促進され、性別に関係なく女性が活躍できる社会の実現につながることを期待しています。
機械工学・ システムデザイン学科 |
女子枠 7名(入学定員110名→117名) |
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電気電子物理工学科 | 女子枠 7名(入学定員110名→117名) |
情報工学科 | 女子枠 6名(入学定員80名→86名) |
2. 教養学部教養学科に共生構想専修課程を設置(入学定員40名増)
教養学部教養学科では、既存の5専修課程に加えて、現代社会の多様性に関する専門的知識を学修する「共生構想専修課程」を新設します。
心と行動を科学的に検証する「心理学」と、 性に基づき社会的・文化的に構築される役割について解明する「ジェンダー研究」。これらの学問分野で培われてきた哲学・思想や実証研究の修得が、複雑さを増す現代社会を理解し、個人が自由に活躍できる環境を作るために不可欠になっています。本課程においては、「心理学」と「ジェンダー研究」にて培われてきた実証的・歴史的アプローチの修得を目指すとともに、他専修課程・他学部との活発な科目乗り入れを通して学際的に学びながら、共生社会の実現に貢献する人材育成を促進します。
教養学部 | 入学定員160名→200名 |
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3. 教育学部の教員養成機能の充実(入学定員60名減)
教育学部では、教育の質的改善と教員就職率の向上を目指し、「共生ダイバーシティ社会の担い手づくり」を理念として、次のように組織再編とカリキュラム改革を行います。
- 入学定員を380名から320名へと60名減らし、教員就職率の向上に向けたきめ細やかな指導を行います。
- 学校教育教員養成課程を、小学校と中学校の教員免許状を両方取得する「教科教育コース」と、新たな教育課題に対応する専門性を高める「学校教育コース」に再編し、教科・専門の強みをもつ教員を育成します。
- 新しい時代の教員養成・教育課題に対応するために教育組織体制を整備します(現代的教育課題部門、講座横断教員の設置等)。
- コース・専修横断カリキュラムである教職キャリア科目に新たな科目群を立てるなど充実を図り、新たな社会・教育課題等に対応できる、教師としての幅広い総合的な資質能力を育成します。附属学校園と一層の連携を図り、教師力向上に向けたカリキュラム改革を進めます。
- 学部と教職大学院との接続プログラムの検討及び教育実践総合センターの機能強化を図り、養成・採用・研修を一体化した教員養成・研修を推進します。
教育学部 | 入学定員380名→320名 |
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4. 大学院人文社会科学研究科にダイバーシティ科学専攻(修士課程)を設置
本専攻の設置の目的は、教育、研究、医療、福祉、企業などあらゆる分野でDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の視点を持ち、実践できる専門家を養成することです。現代社会の多様化・複雑化に対応し、多様な個性を活かす環境が新たな価値を生むことが国際的に証明されています。
政府機関や企業では、女性や外国人、障がい者の採用が進み、多様性に配慮した職場環境の整備が急務です。医療・福祉や教育現場でも、ダイバーシティに配慮したケアや教育が求められ、DEIの課題を総合的に把握できるスタッフが必要です。科学研究・技術開発分野でも、ダイバーシティの視点がウェルビーイングの実現に寄与するイノベーションを生み出します。
DEIの専門家を育成するためには、基礎理論と知識を実践に結びつける力が必要です。大学学部レベルの学修を基盤に、社会科学的な視点で課題を発見し、解決策を立案・実践する能力が求められます。これらのスキルは学部レベルでは不十分であり、研究科での実践的な教育によって実現可能となります。
日本では、ダイバーシティを中核に置いた大学院レベルの教育課程が存在せず、文理融合・領域横断型の教育が必要です。埼玉大学は、多様な学問分野を網羅する特性を活かし、「ダイバーシティ科学専攻(修士課程)」を設置し、現代社会のウェルビーイングとSDGsの達成に貢献します。
大学院人文社会科学研究科 ダイバーシティ科学専攻 (修士課程) |
入学定員 10名 |
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