AI軸力推定機能付微小ねじ締付用電動ドライバの開発に関する共同研究成果が日本設計工学会武藤栄次賞優秀設計賞を受賞(大学院理工学研究科 綿貫啓一教授 共同研究)
2025/6/2
5月24日に開催された日本設計工学会2025年度春季大会研究発表講演会の表彰式において、日本設計工学会2024年度武藤栄次賞優秀設計賞を本学大学院理工学研究科 綿貫 啓一教授、富田保士氏(株式会社バンガードシステムズ)が受賞しました。
日本設計工学会武藤栄次賞優秀設計賞は、企業あるいは研究機関において、優れた製品あるいは研究装置を設計した個人あるいは団体に対し、その功績を顕彰するもので、2006年に創設されました。埼玉大学先端産業国際ラボラトリー(所長:綿貫啓一教授、大学院理工学研究科・教授)および株式会社バンガードシステムズは、IoT/AI技術を用いた微小ねじ締結理論の構築およびシステム設計技術をもとに共同研究を行い、AI軸力推定機能付微小ねじ締付用電動ドライバの開発をすすめています。このシステムの設計に対して、独創性、設計における重要な工夫、社会的な波及効果、特許の取得などが高く評価され、このたび、日本設計工学会2024年度武藤栄次賞優秀設計賞を受賞しました。

受賞名 | 日本設計工学会2024年度武藤栄次賞優秀設計賞 |
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受賞対象の設計製品 | AI軸力推定機能付微小ねじ締付用電動ドライバの開発 |
受賞者 | 綿貫 啓一(埼玉大学)、富田 保士氏(株式会社バンガードシステムズ) |


受賞対象の設計製品の概要
本電動ドライバは、M2以下の微小ねじを多用するスマートフォンやモバイル機器の自動組立機向けの微小ねじ締付け用電動ドライバです。通常、M2以下の微小ねじの軸力は測定が困難であり、本設計製品ではねじ締め中に電動ドライバがセンシングしたトルクデータ、押圧等を機械学習することにより、ねじの軸力を高精度に推定するAIを設計しました。この電動ドライバ自体は、内部で回転用モータと押圧用モータが同軸線上に配置し、ボールねじを介して接続されて、締付けトルクおよび押圧を連携して制御されています。他社製品と比較すると、ステッピングモータを採用することで、ギアやクラッチなどの部品が不要となり、製品寿命、信頼性の点で有利となります。ステッピングモータの負荷変動に弱い等の欠点についても独自のフィードバック制御により克服しました。以上の点は本電動ドライバの設計における独創的な点です。
