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本学とウクライナ・ポルタワ国立教育大学による心理支援拠点「森田パーク」が開設

2026/9/8

開所式に参加した日本・ウクライナの関係者

9月2日、本学教育機構多文化共修センターとウクライナ・ポルタワ国立教育大学の国際協働による心理支援拠点「森田パーク(Morita Park)」が、本学の協定校である同大学に開設され、現地と日本をオンラインで結んだ開所式が開催されました。森田パークの開設は、公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団の支援により実現したものです。

森田パークは、戦争が長期化するウクライナで、森田療法の理念を生かして人々のメンタルヘルスを支え、学生・教職員、地域住民、ウクライナ全土の教員を対象とする教育・研究活動を進めます。運営は、創設学術責任者の趙丹寧准教授(心理学)、運営責任者のオリハ・ニコレンコ教授、プログラム・研究コーディネーターのカテリーナ・ニコレンコ講師が担います。

開設の基盤は、趙准教授が企画した、森田療法に基づくウクライナ教員心理支援プロジェクトです。趙准教授は2023年8月に公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団の活動助成を受け、野中進多文化共修センター長の紹介を通じて、ポルタワ国立教育大学世界文学講座長のオリハ・ニコレンコ教授に協働を呼びかけ、同年12月に共同活動を開始しました。2024年以降、チームはウクライナ教員の全国調査やオンライン心理研修を実施し、2回の調査では回答者の95%以上が森田療法の理念を役立つと評価しました。趙准教授は調査の設計・分析と講義内容の作成・実施を、ニコレンコ教授は内容の助言と現地運営を、カテリーナ・ニコレンコ講師は翻訳・通訳を担いました。2025年には、オリハ・ニコレンコ教授の働きかけにより、ザポリージャ市議会と連携した教員心理支援へ発展しました。これまでの成果は論文や書籍として公刊されています。発足当初から野中教授と岡本清秋相談役をはじめとするNPO法人生活の発見会が活動を支え、日本大学の松浦隆信教授、埼玉大学の堀田香織名誉教授らも助言・支援を行いました。今後は、東京慈恵会医科大学の中村敬名誉教授を含む諮問委員の専門的助言を受けながら活動を進めます。

戦時下での施設整備には多くの困難が伴いましたが、現地での準備は、ニコレンコ教授を中心とする同大学関係者の献身と勇気によって進められました。カテリーナ・ニコレンコ講師が司会を務め、両大学の関係者、公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団の岡本信夫理事長および西田和子事務局長らが参加しました。挨拶では、重原孝臣学長が、人間に共通する経験や人間性を見いだすことが、有意義な国際協働の基盤になると述べました。マリナ・グリノヴァ学長は、心理学、文学、芸術を結び、戦争で傷ついた人々の心の回復を支える場として、森田パークの重要性を語りました。野中教授は、森田療法を支えてきた自助と相互支援の精神に触れ、人々が経験を分かち合い、支え合う場となることへの期待を示しました。岡本理事長は、森田療法の「あるがまま」は、置かれた境遇の中でいかに生きるかを問い、国や地域を越えて共有できる生活の思想であると述べました。オリハ・ニコレンコ教授が設立の背景と展望を、趙准教授が研修・調査研究の成果と今後の活動方針を報告しました。オレグ・トプゾフ教授(ウクライナ国立教育科学アカデミー教育学研究所長)は、ウクライナには物理的な避難場所だけでなく心のよりどころも必要であり、森田パークが人々に支援を提供する新たなモデルとなることへの期待を述べました。学生による挨拶と歌の後、参加者は「短冊の木」に願いを記し、記念撮影を行いました。今後、森田パークは、日本とウクライナの知見と経験を結び、戦時下から復興期にわたって人々の心を支える国際協働拠点として活動を展開していきます。

森田パーク創設学術責任者の趙丹寧准教授
森田パーク運営責任者のオリハ・ニコレンコ教授
現地会場に集まった開所式参加者
願いを記した短冊を飾る参加者
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