2020/09/01
学習支援サークル「ひこざらす。」に注目!
埼大生がボランティアで地域の子供たちの学習をサポート
2020/09/01
埼大生がボランティアで地域の子供たちの学習をサポート
(埼玉県立和光国際高等学校出身)
埼玉大学の近くで活動する「ひこざ」は、経済的に苦しい家庭の子供などを対象に、無料で学習支援を行う無料塾。そして、地域住民の方たちの寄付や支援によって運営している同塾では、埼玉大学の学生サークルのメンバーが講師を務めているのです。具体的にはどのような活動をしているのか?
このサークルの副代表、熊澤七海さんに話を聞きました。
「ひこざらす。」は、埼玉大学の近くで開設されている無料塾「ひこざ」で、子供たちへの学習支援をボランティアで行う学生サークルです。
「ひこざ」は、家庭の経済的な理由など、何かしらの事情があって塾に通えない小学4年生から中学3年生の子供たちを支援するために、理事長の角田眞喜子さんが立ち上げたNPO法人。運営は、地域の寄付やボランティアの方々の協力で成り立っていて、私たちは塾の講師を務めています。
無料塾というと、単純に学習塾に代わる存在だと思う方もいるかもしれません。しかし、勉強の場としてだけでなく、子供たちの居場所としての役割もあると考えています。例えば、塾生の中には、幼い兄弟の面倒をみなくてはならず、家では自分の時間がなかなか作れないという子もいます。それでも、ここに来れば、周りの大人たちよりも歳の近い大学生に悩みなどを相談できる。親や兄弟に相談する機会が少ない子供にとっては貴重な場所なのです。
講師として、日ごろから気を付けていることは、塾生みんなが、居心地がよい環境をつくること。なぜなら、学ぶ場の雰囲気が子供たちの学習意欲に大きな影響を与えるからです。それを実現するためにも、塾にいる間は、自分が担当する子だけではなく、周りの子にも気を配るようにしています。それに加え、1日の授業が終わったら、その日にあったことを共有したり、課題を出して解決策を考える学生だけのミーティングを実施。これにより、私たちも課題や悩みを抱え込まないようにしているのです。
基本的にマンツーマンで行う授業では、子供たちに寄り添って指導することを心掛けています。子供たちも、日によってはやる気が出なかったり、嫌なことがあって気を病んでいたりすることがあるでしょう。そんな時は、勉強を強制させるのではなく、子供たちの話を聞いて、どうすれば無理なく勉強に意識が向くかを考えます。
また、子供によって学びたいことや苦手なところが違うのは当然です。そこで、本人から話を聞いて、どのように勉強を進めていくかを決めるようにしています。塾に入った当初は勉強に乗り気でなかった子が、時間が経つとともに積極的に勉強に取り組むというケースが少なくないのも、子供たちのことをきちんと理解して接してきた結果だと考えています。
子供たちの成長を実感したり、彼らの笑顔に触れる度に、「この活動をしていて本当によかった」と思いますし、やりがいも感じます。講師を務める私たちも子供たちと触れ合えることが楽しくて仕方ありません。
活動を通して、子供に寄り添うことと学習環境づくりが、指導する上で大切なことを学べたのは、大きな収穫です。さらに、ミーティングなどで他の学生メンバーや運営委員会の方と意見を交わす中で、様々な考えがあることが実感できました。おかげで教育に対して、多角的な視点をもてるようになったと思います。
現在、私は小学校教師を目指して勉強中ですが、将来は、この経験をいかして、教室の空気感を大切にしながら、子供たち一人ひとりに向き合える教師になりたいですね。
学生ミーティングの様子。
授業は火曜と金曜の夜に各3時間あり、ミーティングはすべての授業が終わった後に行われます。