短期集中だからチャレンジしやすい！

埼玉大学では、海外の協定校での生活体験を通じて、英語コミュニケーション力の向上を図る「短期語学研修プログラム」を、毎年度、夏季（8～9月）と春季（2～3月）に実施しています。2024年度のプログラムは、夏季に米国のカリフォルニア大学リバーサイド校エクステンション、春季にオーストラリアのグリフィス大学およびフィリピンのデ・ラ・サール大学付属語学学校で行われましたが、今回はカリフォルニア大学リバーサイド校エクステンションでのプログラムに参加した学生にインタビュー。プログラムに参加した理由や現地での学びについて聞きました。

語学研修プログラム参加は将来の夢を叶える手だての1つ

「将来の夢を叶えるために必要不可欠な英語力を向上させたいと思い、短期語学研修プログラムへの参加を志望しました」
2024年の夏季語学研修プログラムに参加した理由について、このように語るのは、本学 理学部 分子生物学科を専攻する安齋穂乃花さん。
日々学業に勤しむ安齋さんの将来の目標は、世界を舞台に活躍する生物学者になること。そんな夢を叶えるには、ネイティブスピーカーと同等の英語力が必要不可欠だと強調します。

「私が目標とするのは、世界中の研究者たちと議論を交わし、研究の成果をより多くの人に伝えるような研究者。そのような研究者になるためにも、英語圏で日常的に使われている生の英語に触れて、リアルな場面で使える英語力を身に着けたいと思いました」

現地では生の英語に触れる機会がいっぱい

研修先の米国カリフォルニア大学リバーサイド校エクステンションでは、2つの講座を受講。

その内の1つが、平日の午前中に行われる「Custom Intensive English（カスタム・インテンシブ・イングリッシュ）」。この講座は、英文法の学習のほか、英語でのプレゼンテーションやディベートなどにより、英語力の向上を目指すもの。時には、映画や音楽を鑑賞し、英語のセリフや歌詞の聞き取りや書き取りを行ったり、英詩を書くことにも取り組んだといいます。

そして、もう1つの講座が、週2回行われる「Junior Conversation and American Culture（ジュニア・カンバセーション・アンド・アメリカン・カルチャー）」。こちらは英語のことわざやイディオムのほか、アメリカの文化や歴史について学ぶものでした。
「教壇に立つのは、もちろん現地の先生ですが、教科書やテキストを使って、講義を進めるのではなく、オリジナルの教材を用いたり、先生自身の経験談を交えて話をしてくれるので、講義内容はとても興味深いものでした。また、講義の中で、校外のレストランで食事したり、街中を散策することも。生の英語に触れたいと願っていたので、街の人たちやお店の方と会話できたのは嬉しかったですね」

研修には「学べることは全部吸収してやろう」という気持ちで臨んだという安齋さん。講義以外の時間にも、生の英語に触れるための機会を積極的に作ったとのこと。

「講義以外の時間は、できるだけ現地の学生と交流することを心がけました。交友関係が広がったおかげで、学生同士のパーティに呼ばれることもありました。友人同士のコミュニケーションでは、当然形式ばった表現は用いられません。軽い会話や雑談、ちょっとしたあいさつなどで使われるネイティブ特有の語法やスラングに触れて、英語でのコミュニケーションスキルは確実に向上したと思います」

また休日には、大学の図書館で生物学に関する本を読んだり、植物園に出かけたりして、充実した毎日を送っていたといいます。約1月の研修期間はアッという間だったようです。

異文化交流を通じて得た気づき

現地の学生や街の人々と交流して気づけたことについて、安齋さんは次のように振り返ります。

「『人種のるつぼ』といわれる米国の人たちと交流して、文化背景が違えば考え方や立場も大きく異なることを実感する機会が数多くありました。現代社会は『多様性の時代』と称されますが、この経験を通じて、多様性を尊重し、異なる価値観を認め合うことの重要性を深く考える機会となりました。さらに、コミュニケーションツールとして英語を使いこなすためには、カジュアルなやり取りや相手の文化的な背景や歴史なども知っておくことが重要だということも改めて認識できました。今回の語学研修プログラムは短期間でしたが、これから語学を学ぶ上での羅針盤を手に入れた気持ちです」