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2024/05/14

アフリカでの自分と向き合い続けた時間が成長を促してくれました

特別教育プログラム「Global Youth」参加学生インタビュー

Profile

土井爽詩さん

工学部 環境社会デザイン学科 4年(取材当時)/GY12期生
大学院理工学研究科 環境社会基盤国際プログラム 1年
(茨城県立緑岡高等学校出身)

特別教育プログラム「Global Youth(GY) 」(以下GY)は、4年間の大学生活の中で、地球共通の課題に向き合える人材育成を目的とした埼玉大学独自の教育プログラム。学生自身が所属する学部のカリキュラムに加え、グローバルで活躍するための素養を身につけるための講義や協定校への留学、グローバルな課題に貢献するインターンシップに参加して、学びを深めていくのが、このプログラムの大きな特徴です。今回は、2023年の秋にアフリカ ウガンダ共和国でのインターンシップを終えて、帰国したプログラム参加生に話を聞きました。

自分の可能性を広げたいという思いで参加

1年生の夏から始まるGYですが、説明会は入学してすぐの5~6月頃に行われます。

プログラムに応募したのは、将来国際的に活躍したいと思っていたことと、せっかくなら学生生活を通じて、自分の可能性を広げたいと思ったからでした。GYでは、学部の勉強に加えて、プログラム独自のカリキュラムを修了しなければならないので、確かに大変です。しかし、プログラムでの学びは確実に自分を成長させてくれました。

具体的には、語学力を高める講義の他、国際政治や国際開発に関する講義を受けましたが、単に知識を得るだけでなく、世界共通の課題について自らの考えを深められたのは大きな収穫です。持続する開発(SD)*についても学びましたが、世界共通の課題を解決するべく、国際的な活動をしてきた人が数多く存在することを知り、開発援助という活動がグッと身近なものに感じられるようになりました。グローバル・サウスの課題に対して当事者意識が芽生えたと思います。このような学びが、いまの自分を形成するのに大きな影響を及ぼしているのはいうまでもありません。

*SD=Sustainable Development

また、GYでは、2年生以降に埼玉大学の海外協定校への留学と原則海外でのインターンシップへの参加が求められます。私の場合、COVID-19の感染拡大の影響で例外的に留学への参加は断念せざるを得ませんでしたが、2023年の秋に経験したアフリカ ウガンダ共和国でのインターンシップで、たくさんの学びを得られました。

視野を広げてくれたウガンダでのインターンシップ

インターンシップ先として、私が選んだのは、開発途上国の農村部の、でこぼこで人や車が安全に通行できない農道などを整備する技術を地域に移転、定着させる取り組みを行う「道普請人(みちぶしんびと)」という日本のNPO団体です。

このNPOでは、布の袋の中に土を詰めた「土のう」を使って、道を整備する方法を現地の人と一緒に作業しながら、地域に根付かせるのが主な活動。草むしりをするのも、土のうをつくるのも、穴を埋めるのも、すべて人力で行いますが、この方法なら特別な道具を使わないので、支援後も現地の人たちだけで道の整備ができるという訳です。

私が派遣されたウガンダ共和国はアフリカ大陸の東部に位置する内陸国。約1月、現地の人と一緒に道路を直していく作業を、毎日くたくたになりながら行いました。荒れ果てた道の整備は、50人ほどで毎日作業しても20日間で500m進めるのがやっと。大変な思いをしたからこそ、整備して平坦になった道を高台から見下ろしたときの感慨はひとしおでしたね。

ウガンダでは、自分がそれまで狭い世界で生きていたことを実感させられました。

例えば、現地では待ち合わせの時間に人が集まらないということがしばしば。はじめはそのような状況に戸惑いましたが、そのうち「時間を守ることは、日本で暮らす自分にとっての常識でしかない」と思い至りました。このような経験から、自分にとっての常識が通用するとは限らないことを身をもって知れたのです。

また、現地では電波状況が悪く、スマートフォンがほとんど使えないので、自然と自分を見つめなおす時間が多くなりました。開発支援を行う上での自分の存在意義を自問自答するという具合です。

帰国してから、現地で考えたことや経験したことを振り返ると、さらにいろいろなことに気づかされます。インターンシップを経験した前後で、自分の考えや大事にしているものが大きく変わっていたりします。このような振り返りの作業を含め、インターンシップの経験が自分自身を大きく成長させてくれたのは明らかです。

今より成長して、開発途上の国で土木開発に関わりたい

この春からは大学院に進みますが、大学院修了後はエンジニアとして、土木開発に携わる仕事をするつもりです。海外での開発援助に関するプロジェクトにも参加できればと思いますが、きっとGYで培った知識や経験が生きるでしょう。「誰のためで、何のための持続可能な開発なのか」という視点を胸に仕事をしていきたいと思います。

そして、いつか、ウガンダに再訪して、改めて社会貢献したいです。なぜなら先のインターンシップでは、現在の自分のスキルでは、できることが限られていることを痛感したからです。今より成長して、より大きな貢献ができればと考えています。

「将来、グローバルに活躍したい」あるいは「在学中に自分自身を大きく成長させたい」という人は、ぜひ国際的な課題に直接向き合えるGYへ参加してみてはいかがでしょうか? 大学は、自主性が求められる場です。受け身な姿勢では得られるものは限られます。ぜひ、プログラムに参加して自らの可能性を広げてください。

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