2023/08/25
仏国への留学経験は僕たちを色々な面で成長させてくれました
EUの交換留学制度を活用したランス大学への留学生活を振り返る
2023/08/25
EUの交換留学制度を活用したランス大学への留学生活を振り返る
工藤優津樹さん
理工学研究科 環境社会基盤専攻 地盤・地圏グループ 修士2年
(茨城県立竹園高等学校出身)
齋藤祐太さん
理工学研究科 環境社会基盤専攻 交通・計画グループ 修士2年
(宮城県仙台第三高等学校出身)
ここ数年、COVID-19の影響で留学ができない状況が続いていましたが、日常を取り戻しつつある現在、留学受け入れを再開する国が増えています。そこで、今回は、仏国での半年間の留学生活を終え、2023年2月に帰国した本学大学院 理工学研究科の学生2人にお話を伺いました。
大学院生を対象した欧州連合(EU)の交換留学制度「エラスムス・プラス」。今回お話を聞いた2人は、この制度を活用して、2022年の9月から約半年間、仏国のランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学(ランス大学)に留学したとのこと。
そもそもなぜ留学をしたのか? この質問について、2人は次のように答えます。
工藤さん 僕は、建造物に使われる岩石やモルタルなどの風化を防ぐ保護剤の研究が専門ですが、ランス大学には、この分野で最先端をいく研究室があります。その研究室で先進的な研究に触れることを期待し、留学を決心しました。実際、現地では、日本では経験できなかった実験などにも取り組め、期待通りの活動ができました。
齋藤さん 僕は、交通計画に関して、仏国の事例を実際に見ることを期待しました。僕の専門は交通工学で、主に将来の交通量を予測するためのプログラム開発に関する研究に取り組んでいますが、ランス大学では経済学部で交通に関する研究を行っている研究室に所属しました。それはランス大学に交通工学の研究室がなかったからだったのですが、却って専門分野とは少し異なる観点から交通について学べて、視野が広がったのは大きな収穫でした。
また、工藤さんも齋藤さんも「留学先で、生きた英語を使い、英語力をアップさせたい」という気持ちがあったとのこと。こちらの目的も年間の留学生活で果たせたようです。
勉強や研究の他にも、サークル活動や旅行など、現地では忙しく充実した毎日を過ごしていたといいますが、そんな半年間の留学経験は、精神的にも2人を成長させてくれたようです。
齋藤さんは、留学経験で変わったことについて、次のように語ります。
「留学先で会う人は、日本人に比べるとあまり人の目を気にしていない印象があります。僕も留学前は人の目を気にしがちでしたが、そのような環境に身を置いた結果、あまり人の目が気にならなくなりました。例えば、海外の学生たちは講義中でも積極的に発言しますが、日本の学生はそうではありません。私もそうでしたが、帰国後は、講義中に積極的に発言できるようになったと思います。また、日常生活や旅行などで、現地の人たちと交流したことで、視野が広がったのは間違いありません」
▲授業のフィールドトリップで訪れた地下採石場
そして、工藤さんは「仏国をはじめ、海外では、自分の意見や権利を主張することが当たり前。日常生活において、それができないと困るシーンは多いです。そのような日常を過ごすことで、自分の意見をしっかり述べることの大切さを学びました。このことは研究面でもよい影響がでていて、学会発表の際にも、自信をもって堂々とのぞめるようになりました」と胸を張ります。
なお、留学中は、校内のイベントや友人同士のパーティ、食事の誘いなどがあれば積極的に参加していたとのこと。その甲斐もあって「留学中にはたくさんの友人ができた」といいますが、現在も彼らとはSNSを通じて交流は続いている様子。「近々、皆を日本に招いて、今度は僕たちが日本を案内したい」と話してくれました。
▲留学中、友人たちと(齋藤さん提供)
▲留学中、友人たちと(工藤さん提供)
来春には日本企業に就職する予定の2人ですが、「就職後は、留学経験で培った視野の広さを活かし、国際的な仕事に携わって、日本と海外との懸け橋として活躍したい」といいます。
齋藤さん 日本では味わえない経験ができて、視野が広がる留学は本当におすすめ。僕は大学院に入るまで留学しようとは考えませんでしたが、できるなら早くから経験しておいてもよいのではないでしょうか?
工藤さん 留学を通じてできた海外の友達は僕にとってかけがえのない存在になりました。留学経験は、勉強や研究におけるメリットだけでなく、人生も豊かにしてくれます。可能であれば一度は経験しておくべきことだと思います。
以上のコメントは、読者の皆さんに向けていただいたメッセージです。留学プログラムが充実しているのも、埼玉大学の学びの特徴の1つ。埼玉大学に入学したら、ぜひ留学に挑戦してください。