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2021/07/30

埼玉大学のキャリア教育とコロナ禍の就職支援

統合キャリアセンターSUの取組

埼玉大学のキャリア教育と就職支援における特徴やコロナ禍の対応について、キャリアサポート室の石阪督規教授と元川ゆかりスーパーバイザー、学生支援課就職支援担当の木下哲平係長の3名に話を聞きました。

客観的な視点から長所を見つける「VSAT」

――まずは埼玉大学のキャリア教育の基本的な考え方について教えください。

石阪教授 本学のキャリア教育では、学生自身が見つけた長所を伸ばしながら、将来のキャリア形成を主体的に考えることを重視した取り組みを行っています。具体的には、学生各々の長所を明らかにする「VSAT(長所発見テスト)」を導入したり、企業と直接関わる「課題解決型プログラム」や「インターンシッププログラム」などを実施しています。

元川氏 そのようなキャリア教育の効果を最大化させるためには、就職支援と一体的に取り組む必要があります。そこで、私はスーパーバイザーという立場で、キャリア教育と就職支援を含めた学生生活の支援を行う「統合キャリアセンターSU」の活動をつなぐ、橋渡し的な役割を果たしているのです。

――キャリア教育は、従来の就職活動とは印象が異なりますが、企業が求める人材像もこれまでと変化してきているのでしょうか?

石阪教授 これまでの企業はどちらかというと、求める人物像が画一的で、採用活動のバリエーションも少なかったといってよいでしょう。そのため、大学側もそのようなニーズに応えるための就職支援を行ってきました。しかし、最近では、社会や企業が直面する課題が多様化、複雑化し、むしろ、そうした課題に向き合うことができ課題解決に貢献できる人材が求められるようになってきました。だからこそ、大学在学中から、課題を発見し、解決するための力を身につけることが重要なのです。しかし、そのためには3年生から行う就職支援だけでは不十分です。1年生のうちから学生の視野を広げ、主体性を引き出すためのキャリア教育の充実が求められています。

――先ほど話に出たVSATについて詳しく教えてください

石阪教授 VSATは、本学独自の取り組みで、自分の長所を伸ばし、成長を確認するために開発されたアセスメントテストです。テストの結果は、強みを発揮できる場所や仕事の選択の際に参考にすることができます。また、キャリア教育の1つとして実施する「課題解決型プログラム」の中で活用しているのもポイント。「課題解決型プログラム」は、実際の企業の課題に対して、学生たちが解決策を提案する講義ですが、受講する学生たちは全員VSATを受け、その結果を自身の可能性と将来を考える材料にしてもらうのです。さらにプログラムに参加する企業の社員の方にもVSATを受けてもらい、その結果を学生たちと共有することで、企業理解を促進させます。そして、将来このような企業で活躍するならば、どのようなスキルが求められるかを学生自身が考えるきっかけにすることも狙っているのです。また、インターンシップでも同様の取り組みを行っていますが、学生と企業側のVSATの結果を照らし合わせることで、就職のマッチングの最適化にも役立てることが可能だと考えています。

元川氏 2020年度は、1、2年生の合計約300名と約900名の3年生がVSATを受けました。自分はわかっているつもりでも、思い込みということもあるので、自分の長所を客観視するのは意外と難しいものです。ですから就職活動を行うにあたって、自己PRを書くのに四苦八苦する学生は少なくありません。しかし、VSATを受ければ、客観的に自己分析ができます。希望する学生は無料で受検できるので、ぜひ積極的に受けて欲しいですね。

VSATのレポートサンプル

埼大のコロナ禍の就職支援と内定状況はいかに?

――さて、2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、就職支援についてこれまでとは異なる対応を強いられたと思いますが、具体的にどのような対応を行ったのでしょうか?

木下氏 例えば、毎年3年生を対象に行う「就職ガイダンス」など、就職支援のオンライン化は積極的に行いました。例年ガイダンスの参加者は100名程度なのですが、Web会議ツールを活用して、Web配信を実施したところ1,000名近い学生がリアルタイムで視聴していました。ガイダンスの動画は「埼大キャリアTV」という就職活動に関する動画を集めたWebサイトで、埼大生ならいつでも見られるようにしているので、ガイダンスの内容は3年生のほとんどが一度は目にしていると思います。なお、「埼大キャリアTV」もコロナ禍を機に立ち上げたもので、ガイダンス動画をはじめ、志望動機の書き方やVSATのスコアの見方などをテーマとした就職活動に役立つ動画がまとめられたWebサイトです。今後も卒業生のインタビュー動画など、コンテンツのさらなる充実を図っていく予定です。また、これらの情報は1:1トークで相談もできる埼大生専用のLINE@でお知らせしていますので、埼大生になったら是非友だち登録をしてください。

――その他、工夫したことがあれば教えてください。

木下氏 企業が埼大生向けにWebカメラを介して、自社の説明を行うオンラインの合同企業説明会を実施しました。5日間で349社が参加しましたが、各企業等の説明の様子は録画し専用のウェブサイトで公開し、学生が開催後も場所と時間を選ばず、安全に視聴できるようにしたことにより、「対面に比べて気軽に話しを聞くことができた」と、学生の評判も上々でした。さらに「埼玉大学統合キャリアセンターSU」のWebサイトを近日中にリニューアルする予定で、キャリア支援の取組を学生の声を聞きながら、よりわかりやすく発信するように改善していきます。

元川氏 2021年4月からは「SUキャリアバディ」という取り組みもスタートしました。大学院2年生・学部4年生で進路が決まった学生の皆さんやOBOGの方などで構成されたメンバーが、今の就活生のキャリア支援を行っています。主に週1~2回お昼休みに、オンラインで就職活動の体験談や後輩へのアドバイスをするトークイベントをしています。これから就職活動を始める皆さんが、コロナ禍で学生同士で情報を共有することが難しくなっているという課題を解消することを目的としています。

■埼玉大学キャリアセンターTwitter:https://twitter.com/sucareersupport

 

――コロナ禍の就職支援の印象を教えてください。

石阪教授 学生と企業のコミュニケーションが、主にオンラインで行われるようになりましたが、必ずしもデメリットばかりではなかったと考えています。オンライン面接が主流になったおかげで、これまでの首都圏一極集中といった状況から一転、関西圏や地方の企業の入社試験を受ける学生が増えた印象です。学生にとって選択の幅は確実に広がりました。場所や企業規模にとらわれずに、企業の強みや自分との相性などから就職先を見極めるよい機会になったのではないでしょうか。

――企業側の採用活動にはどのような変化がありましたか?

石阪教授 コロナ禍で観光関連や飲食業、運輸業の求人数は減りましたが、それ以外の業種はそれほど変化がないと考えています。本学では、観光関連や飲食業への就職希望者は元々多くないので、例年と比べてそこまで影響は出ていません。実際、内定率に大きな変化はなかったですね。

元川氏 そうですね、新卒の求人に関しては大きな影響はなかったと考えています。

石阪教授 いずれにしてもオンラインによる就職支援や採用活動はメリットが実感できたので、コロナ禍が収束しても継続されるでしょう。そのようなニーズにいかに対応するかが、大学にとって大きな課題の1つになると思います。

木下氏 「埼大キャリアTV」の充実はもちろん、SNSを活用した情報発信など、本学でもそのようなニーズに合わせて、様々な取り組みを行っていく考えです。

――受験生にメッセージをお願いします。

石阪教授 就職に関して不安をもつ学生は多いと思います。その点、埼玉大学では、就職支援に関して、ユニークな取り組みを用意していますので、安心して欲しいですね。そのためにも、まずは漠然と就職を考えるのではなく、自分の能力をどういう場所で発揮したいかを考えてもらいたい。極端なことを言えば、入社した会社は将来どうなるかわかりませんが、身についた能力は一生もの。ですから、ぜひ埼玉大学で自分のキャリア形成に役立つスキルを身につけて社会で活躍して欲しいと思います。

元川氏 学生には課題に直面したら、どう解決するのかを自分なりに考え、解決に導く力を養って欲しいです。だからこそ、埼玉大学では、就職支援を行うにしても自主性を尊重しています。学生自らが考えて取り組むのであれば、私たちはどんな細かいことでも支援を厭いません。様々なサポートを行う用意はありますので、入学したらまず「統合キャリアセンターSU」に足を運んでもらいたいですね。

 

(左から)元川スーパーバイザー、石阪教授、木下就職支援担当係長

 

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