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2022/04/28

【工学部】人が快適に機械を操作するためのインターフェイス研究で生活の質の向上に貢献!

工学部 機械工学・システムデザイン学科/ヒューマンインターフェイス研究室

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工学部のヒューマンインターフェイス研究室では、安全、安心、快適に機械を操作するための先進的なインターフェイス技術の研究を行っています。今回は、同研究室にて、乗り物に焦点を当てた研究を続ける楓 和憲准教授に話を伺いました。

人と機械のやり取りを最適化するヒューマンインターフェイス研究とは?

専門は、機械とその機械を操作する人とのやり取りに関する仕組みなどを研究する「ヒューマンインターフェイス」ですが、中でも機械への操作入力を快適にするためのアシスト機能を中心に研究を行っています。

例えば、身体の不自由な人が利用する「電動車いす」。その操作を行うインターフェイス(入力装置)として採用されているのがジョイスティックです。車いすは、ジョイスティックのレバーを傾けた方向に進み、傾きの大きさに応じてスピードも変わります。

つまり、同じ角度でレバーを傾れば、当然同じ速度で車いすは進む訳です。ただ同じ速度でも、ひらけた場所と狭い場所では安心に移動できる速度は異なります。

そこで、現在取り組んでいる研究では、ジョイスティックを操作する際、その場所に応じて適切な速度に達する傾きのところでレバーが重く感じるようにして、ある程度ラフに操作しても、安全かつ快適に移動することができるような仕組みを構築しようとしているのです。

このような仕組みを実現するために、車いすに周囲の状況を把握するセンサーや安全かつ快適に移動できる速度を分析するためのプログラミング、レバーに負荷をかける機構など、様々な構成要素が必要になります。

また、これは車いすに限ったことではありませんが、ヒューマンインターフェイスの研究は、操作する人の快適さや安心感を追究していくため、機械だけでなく、人に対する考察が求めらるところも特徴の1つ。場合によっては、操作する人の身体的な反応を分析したり、心理学の知識が必要になることも――。いずれにせよ、幅広い分野のスキルやテクニックが求められます。この点が難しくも、面白くもあるところですね。

研究のユニークな点は、完全な自動化ではなく、使い心地をよくすることを目指しているところでしょうか。

電動車いすも、重く感じたところからレバーをさらに傾ければ、そこからスピードを出すことができるようにしています。すべてを機械任せにするのではなく、飽くまでも、機械はさりげないアシストをしてくれるイメージです。そうすることで、ユーザーが「自分で操作している」という充足感が味わえ、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)の向上につながると考えています。

急増するアクセルペダルの踏み間違い事故を防止するために

現在は、電動車いすの他に、お年寄りが利用する電動カートの操作支援や自動車のブレーキとアクセルの踏み間違い防止に関する研究などにも取り組んでいます。

自動車のブレーキとアクセルの踏み間違い防止は、アクセルペダルとブレーキペダルそのものには手を加えずに、運転時に左足を置くフットレスト(オートマチック車の場合)の位置や形状を工夫することで実現しようとするもの。

運転する人の中には、フットレストを使わない、あるいは使いたくても足が届かないという方が意外と多いのですが、フットレストに左足を置いておくと、そこが基点となって、ブレーキペダルやアクセルペダルの位置感覚にズレが生じにくいという仮説があります。研究はこの仮説に基づいて進めていますが、現在、ドライビングシミュレーターなどを活用して実験を行っている最中。できるだけ早く社会実装したいですね。

恐らく研究者になる前からインターフェイスには興味があったと思います。私は左利きなので、右利きの人が使用することを前提にした一般的な入力装置――例えばマウスなどは使い難い思いをしてきました。ただ、そういうものでも、自分なりに少し手を加えると使いやすくなる。そのような経験が現在の研究につながっているのかも知れません。

人と機械をつなぐインターフェイスは、乗り物やパソコンだけでなく、エレベータのボタンなど様々なものがあります。ですから、研究の成果は応用できる範囲も広いと考えられます。

機械や装置に対して、最終的な評価を下すのは使う人です。つまり、いくら優れた機能を実装した機械でも、ユーザーがきちんと使えなければ、その価値は半減してしまいます。だからこそ、機械を気持ちよく使えるか? というところにフォーカスした、ヒューマンインターフェイスの研究は、様々な技術を応用していく上でも、非常に重要な分野だと考えています。

楓准教授より受験生へMessage

ゼロから研究や企画を生み出す力を養って欲しい

 研究室では、装置の設計・試作、センサー周りの回路製作、プログラミング、生体情報の計測・分析など、様々なことを行います。そのため、研究室に所属する学生は、幅広いスキルを身につけることが可能です。
 学生たちには、白紙の状態から企画して、新しい研究を提案するような能力を養って欲しいですね。将来、社会に出た際にも、リーダーシップを発揮して活躍するには、そのような力が求められると思います。だからこそ、普段の指導でも、学生の意見はできるだけ聞くようにして、作業や研究についても任せられるところは任せるように心がけています。
例え、それで失敗しても、学生たちにとっては、却ってよい経験になるでしょう。学生時代に失敗しておけば、社会に出た後に同じ失敗を繰り返すことはありませんから。

周りの学生から様々な刺激が受けられる理想的な学びの場

 優秀な先生方が数多く所属していて、様々な刺激を受けられるのが、埼玉大学で研究をしてきてよかったことの1つです。研究に対する姿勢はもちろん、教員としての仕事の仕方にも見倣うべきところがたくさんありますね。
 また、工学部には、依頼すると実験装置などを製作してくれる実習工場があるのも心強いところ。依頼をしなくても、装置の製作について相談にのってもらうこともありますし、いざという時にお願いできる環境があることは気持ちの余裕にもつながっています。
 さらに、研究や勉強に真摯に向き合う学生が多く、私自身、刺激を受けることがしばしばあります。また、チームワークがとれる学生が多く、お互いに助けあう雰囲気が醸成されていることも埼玉大学工学部の特徴ですね。そのような環境下で学ぶことができるのは学生にとって、大きなメリットだと思います。

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