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研究トピックス一覧

街に置いたセンサが「千里眼」となり、小型モビリティを安全に自動運転(大学院理工学研究科 安積卓也教授)

2026/9/17

プレスリリース全文はこちらからご覧ください。

概要

埼玉大学大学院理工学研究科の安積卓也教授(研究代表者)、芝浦工業大学工学部の新熊亮一教授、慶應義塾大学理工学部の吉岡健太郎准教授らが、米国ラトガース大学(Yao Liu助教、Narayan B. Mandayam所長)と共同で取り組む研究課題「千里眼:マイクロモビリティ向けインフラ統合型自動運転」が、このたび科学技術振興機構(JST)と米国国立科学財団(NSF)が連携して実施する日米共同研究プログラム「VINES(Verticals-enabling Intelligent Network Systems)」に採択されました。
本研究は、2026年10月から2030年3月まで実施する予定で、日本側の研究チームにはJSTから総額約1.1億円(間接経費込み)、米国側の研究チームにはNSFから約67.5万米ドルの研究費が支援され、日米双方の研究チームが連携して研究開発を進めます。

ポイント

  • 自動運転の「脳」を車両から街へ:配送ロボットや電動車いすなどの小型モビリティは、高価なセンサや計算機を積むことができず、車高が低いために死角も多いという課題があります。本研究では、街に設置したセンサと街側のAIが周囲を見て先を予測し、その結果を車両に届けることで、車両側は小型カメラと軽いAIだけで安全に走れるようにします。
  • 数秒先を読む「未来予測型ダイナミックマップ」:街のセンサ情報を集めた「生きた地図」に、AIが予測した歩行者や車両の数秒先の動きを重ねて各車両に配信します。遠くまで見通す「千里眼」を街全体に与える構想です。
  • 日米の実際の街で実証:日本の自動運転ソフトウェア・LiDAR網・センサセキュリティと、米国の映像処理・次世代無線通信の強みを組み合わせ、羽田イノベーションシティ(東京)とニューヨーク市の無線テストベッドCOSMOSで実証します。
図1「千里眼」の研究構想:街に設置したセンサ群(フィジカル)と、
未来を予測するAI(サイバ)の連携

採択者からのコメント(埼玉大学大学院理工学研究科 安積卓也)

私は自動運転ソフトウェア「Autoware」など、長年、車両に高性能なセンサと計算機を搭載する「車両中心」の自動運転に携わってきました(JSTさきがけ:社会システム(2017~2020年度)、JSTさきがけ:ICT基盤(2021~2024年度)、JST AIP加速(2025年度))。しかし、小型で安価であることに価値があるマイクロモビリティには、この考え方をそのまま持ち込むことができません。本研究では、認知と予測の「脳」を街のインフラ側へ移すという発想の転換によって、誰もが手の届くコストと消費電力で、見通しの悪い交差点でも安心して走れる自動運転を実現したいと考えています。日本側が強みを持つ自動運転ソフトウェア・LiDARネットワーク・センサセキュリティと、米国側が強みを持つ映像の3次元処理・次世代無線通信を一つの世界モデルを介して結び付け、単独では実現できない「共生モビリティ」の基盤を日米で築いていきます。羽田とニューヨークという実際の街で、その成果をお見せできる日を目指して取り組んでまいります。

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