多糖合成反応に多糖分解酵素が必要!?-グルコマンナン合成に関わるゴルジ体局在タイプ マンナナーゼを同定-(大学院理工学研究科 小竹敬久教授)
2026/4/22
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ポイント
- 植物が光合成により同化した炭素の大半は細胞壁に蓄積しており、その主成分はセルロースやキシラン、グルコマンナンなどの多糖類です。
- グルコマンナンの合成には、原料物質の合成酵素や糖を連結する糖転移酵素が関わりますが、今回の研究で、分解酵素であるマンナナーゼも関わることがわかりました。
- このマンナナーゼを欠損すると細胞壁のグルコマンナン量が激減することから、グルコマンナン合成の一連の反応には、「未知」の分解反応も含まれることがわかりました。
概要
埼玉大学大学院理工学研究科の博士前期課程 菊地愛菜さん(当時の所属)、同 佐藤恵里子さん、高橋大輔准教授、小竹敬久教授らと、近畿大学生物理工学部の吉見圭永講師、ケンブリッジ大学生化学科のPaul Dupree教授のグループは、植物細胞壁の多糖類であるグルコマンナン合成に、分解酵素であるマンナナーゼ(MAN)が必要であることを明らかにしました(図1)。

図1. ゴルジ体で起こるグルコマンナン合成反応
原料物質合成酵素であるVTC1・KJC1や糖転移酵素であるCslAに加えて、分解酵素であるMANが関わる。
本成果は2026年4月20日 (アメリカ東部時間)に米国植物科学会の学術誌「Plant Physiology」にオンライン掲載されました。
論文情報
| 掲載誌 | Plant Physiology |
|---|---|
| 論文タイトル | Atypical endo-β-1,4-mannanases are necessary for normal glucomannan synthesis in Arabidopsis |
| 著者 | Aina Kikuchi, Eriko Sato, Yoshihisa Yoshimi, Hironori Takasaki, Naho Nishigaki, Kimie Atsuzawa, Yasuko Kaneko, Masatoshi Yamaguchi, Daisuke Takahashi, Paul Dupree, and Toshihisa Kotake |
| DOI | 10.1093/plphys/kiag174 |
| URL | https://doi.org/10.1093/plphys/kiag174 |
用語解説
「グルコマンナン」
グルコース(ブドウ糖)やマンノースがβ-1,4-結合により連結した多糖類で、多くの陸上植物の細胞壁にみられます。
「マンナナーゼ」
グルコマンナンを特異的に切断する酵素。
