ベオグラード大学ディヴナ・トリチコヴィッチ准教授を迎え特別公開授業を開催
2026/7/24
担当教員 新井高子教授より開催レポート


7月16日(木)3時限、教養学部開講の多文化共修科目「詩歌から考える日本語表現」(担当・新井高子)では、セルビアからディヴナ・トリチコヴィッチ先生(Divna Trickovic、ベオグラード大学准教授)をお招きし、特別公開授業「セルビアの「笑い」 ――東欧事情を踏まえて」をおこないました。トリチコヴィッチ先生は、去年、セルビアの有名な劇作家、ヨヴァン・ステリヤ・ポポヴィッチによる戯曲『お高くとまったひょうたん』を共訳で日本語訳し、出版されたばかりです。また、かつて埼玉大学に一年間、日本語・日本文化研修留学生として留学した経験がおありですから、このたびの来日は、懐かしい「里帰り」でもありました。
まず、トリチコヴィッチ先生は科目担当者の新井とともに、当地の有名な文学者、ブラニスラヴ・ヌシッチの詩を、セルビア語と日本語のバイリンガルで朗読しました。それから、セルビア人にとって笑いは、権威に屈せずに自分らしく生きるためのアイデンティティであること、それは心の薬、「霊的な食料」と言っていいことを強調しました。
そして、19世紀から第一次世界大戦頃にわたるセルビアの多民族的概況と言語状況を説明した上で、その時代に優れた喜劇を書いた二人の劇作家、ヨヴァン・ステリヤ・ポポヴィッチとブラニスラヴ・ヌシッチの人生、彼らの作品の特徴を、スライドを用いながら丁寧に語り、セルビアの笑いについて深めました。
最後に、1920年代に世界旅行をするなかで日本にも訪れた女性詩人、イェレナ・ディミトリエヴィッチが関東大震災直後の横浜を描いた詩を朗読しました。
受講生のほか、一般来場者も多数出席し、教室の椅子が足りなくなるほど盛況でした。トリチコヴィッチ先生のすばらしい講義に心から感謝します。
なお、この美しい写真は、受講生の一人、台湾の世新大学で写真を専攻する埼玉大学留学生、チエン・ティンハンさん(Chien Ting Han)が撮影しました。




*この企画は、日本学術振興会科研費「ウクライナの文学教育への協力を通しての世界文学研究の発展」(23H00615)の助成を受けて実施されました。
