30年以上にわたるラオスへの国際協力-さいたま市水道局林佑樹主査をお招きした講義を開催
2026/2/4
地方自治法第一条の二には、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」とあり、県や市町村といった地方自治体(以下「自治体」)が国際協力に積極貢献する姿を想像することは少し難しい面があるかもしれません。しかし実際は、特に上下水道、防災、環境保全といった分野では、我が国自治体がその経験、専門性を生かした国際協力を多くの開発途上国で展開しています。本学が所在するさいたま市の水道局も、1990年代に厚生労働省の要請を受け技術協力を開始して以来、30年以上にわたり東南アジアのラオス人民民主共和国に対し水道事業の様々な分野で支援を実施してきており、現在も、技術協力プロジェクトと草の根技術協力事業を通じ水道行政の改善といった制度支援や無収水削減に向けた実務的支援を継続中です。
上記背景を踏まえ、1月29日(木)、「開発と援助の潮流」(研究機構研究推進室 小中鉄雄教授)の講義では、さいたま市水道局業務部経営企画課 林佑樹主査をお迎えし、「自治体が行う国際協力」というテーマで講義頂きました。
林講師からは、冒頭さいたま市の水道事業全般の概要についてご紹介頂いた後、ラオスへの水道分野での協力の変遷、現場での具体的な支援内容や成果、また協力にあたって「日本人がいなくても水道事業を運営できるようにする」ということを大切にしていることや、日本とラオスでの仕事のちがい、など幅広い視点でご説明頂きました。また、同行された関根翔太主任からは、さいたま市入庁後のラオス出張を振り返り、「海外渡航自体初めての経験で緊張もあったが、不安よりも好奇心、チャレンジ精神が勝った」との力強いメッセージもありました。
受講学生からは、「身近なさいたま市が30年以上ラオスへ水道支援をしていたことに驚いた」との声が多くあり、「手順書に写真を多く載せて理解を深めてもらう、ラオスに行く際は経験者と初心者が同じ班になるように組んでいる点など、円滑に支援を行い効果を出していく工夫が行われていると分かった」「日本とラオスでの仕事の違いについても興味深く、外の世界に触れて新たな考え方を取り入れるという点でも支援に参加するメリットがあると思った」「水道を整備・維持していくためには技術だけでなく、それを理解し運用できる教育水準が不可欠であるという話が印象に残った」「自治体職員の仕事への見方が変わるきっかけになり、将来の職を考える範疇が広がった」等のコメントが寄せられました。
学生にとっては、自治体の国際協力への関与、貢献の実態を知るとともに、今後の就職先としての可能性にも思いを馳せる機会にもなりました。

さいたま市水道局 関根主任
