多文化共修科目“AL2(Workshop in Drawing a)” 授業成果展を開催しました
2025/8/25
7月28日から8月1日の間、教育学部コモ1号館1階ギャラリースペースにて多文化共修科目“AL2(Workshop in Drawing a)” 授業成果展を開催しました。
成果展の様子
担当教員より
「多文化共修科目“AL2(Workshop in Drawing a)”を終えて」
埼玉大学名誉教授 小澤基弘
多文化共修科目”Workshop in Drawing”は、主観的素描であるドローイング(ラクガキに等しい)を描くことを軸としたWorkshop形態の授業です。埼玉大学の全学部を対象として受講生を募り、また短期留学生も受講可能とし、ドローイングを日々描いてもらい、授業時に一人一人対話をすることで、そこに反映された自分自身の諸々について自覚的になってもらうことを主眼としています。デッサンではありませんから描画の敷居は極めて低いです。短期留学生は日本語が十分ではありません。私も拙いながら英語は話せますので、彼らと意思疎通はできますが、私と日本人とのドローイング対話は常に私が二か国語で行うことは無理です。教育機構の川上さんたちのご尽力のおかげで、生成AIを用いた同時翻訳ソフトを駆使して、留学生が日本人同士の対話で何が話されているのかを理解できるように何とか工夫をしてもらいました。結構生成AIは役に立ち、多文化共修を実のあるものにできたと思います。
自分が描いたドローイングについて私と対話することで、「自分のなかにこんなイメージがあるのか」とか「自分が好きな色は○○なんだ」とか、まずは造形的な趣向性への気づきから始まり、徐々に美術の領域を超えて、「自分ってこんなことに興味があるんだ」とか「ドローイングを描いていて自分の知らない自分に出会った」みたいな、更に自分の内面を深堀している感想を受講生のレポートから沢山拾い上げることが出来ています。つまり、ドローイングを通しこれまで無自覚だった自分の諸々の側面や可能性に対して、自覚的になっていく、そのプロセスを今回の15回の授業ですべての学生から確認することができました。その成果が7月28日から始まった「授業成果展」で見事に表れていると思います。
受講生にはドイツ、中国、ラオス、台湾、メキシコからの短期留学生も参加していました。お国柄というか、育った土地によって培われた感性が確実にドローイングに反映することを、彼らのドローイングからはっきり理解できました。また他学部の学生としては、教養学部、経済学部、理系の学生はいませんでしたが、最後に飛び入り参加した理学部学生のドローイングも展示しました。それぞれの学部カラーというか、趣向性や思考の違いが如実にドローイングに現れていることにも気づかされました。こういう学部を超えたドローイングを軸とした共修には多くの学びの視座があることを、教える私も今回の授業を通して痛感しております。

なお、今年度後期にはAL2(Workshop in Drawing b)(第3・4ターム)を開講いたします。
問い合わせ先:全学教育課多文化共修担当
Email: mccsu[@]gr.saitama-u.ac.jp
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