2026/05/14
世界を知り、自分を変える
Global Youth(GY)プログラム参加学生インタビュー
2026/05/14
Global Youth(GY)プログラム参加学生インタビュー

教養学部 グローバル・ガバナンス専修課程 国際開発論専攻 4年
加藤綾華さん
(沖縄県立那覇国際高等学校出身)
教養学部 グローバル・ガバナンス専修課程 国際関係論専攻 4年
中村智穂さん
(長崎県立佐世保南高等学校出身)
教育学部 学校教育教員養成課程 中学校コース 4年
髙倉凜さん
(栃木県立石橋高等学校出身)
埼玉大学が全学部生対象に開設する「Global Youth(GY)プログラム」は、SDGs(持続可能な開発目標)への理解を深め、「グローバル市民」として活躍する人材を育てることを目的とした特別教育プログラムです。今回は、GYプログラムに参加して、生活サポートや農業、難民支援など「ヒューマンケア・生活維持」に関連する課題に取り組んだ3名の学生にインタビュー。GYプログラムに参加した理由、海外留学やインターンシップでの学びについて話を聞きました。
GYプログラムに応募した動機について、髙倉さんは次のように話します。
「留学の際のコネクションをつくることが目的でした。また、もともと留学には興味があったものの、実際に踏み出すとなるとハードルが高いと感じていました。そこで、留学が必須となるGYプログラムに参加することで、自分に逃げ道をつくらないようにしたかったのです」

中村さんが応募を決めたのは、大学入学後に同期生からGYプログラムの存在を教えてもらったことがきっかけでした。高校時代からイギリスやフランスの文化に関心があったこともあり、説明会で聞いたプログラム内容に強く惹かれたといいます。

一方、加藤さんは「語学力を伸ばしたかったことが理由だった」と振り返ります。GYプログラムには英語力の高い学生が多く集まるため、「そのような環境に身を置けば、自分の英語力も向上するのではないか」という期待があったそうです。

3人が選んだ留学先は、ドイツのエスリンゲン大学(髙倉さん)、フランスのリール大学(中村さん)、台湾の開南大学(加藤さん)。それぞれが現地で専門科目を学ぶなど、充実した1年間を過ごしました。そして3人が共通して挙げた留学の成果が、「語学に対するハードルが下がったこと」でした。
特に髙倉さんは「それまで勉強する科目でしかなかった英語が、人とコミュニケーションを取るための手段だという意識に変わったことが大きかった」と説明します。
海外で暮らすとなると、正確な文法にこだわって話す余裕はありません。人々とコミュニケーションを取るためには、正確な文法よりもとにかく伝えることが重要になります。その感覚を身体で覚えたことが、留学で得られた収穫の1つだったのです。
留学に加えて必須となっているインターンシップへの参加も、3人にとって大きな学びの機会になりました。
髙倉さんは留学後、そのままドイツに残り、フランクフルト近郊のギーセンにある難民キャンプでソーシャルワークに参加。国際NGO「NICE」を通じて応募したこの活動では、難民の子どもたちの心のケアを担当しました。
「難民の方々の力になれると意気込んでいましたが、個人の力の限界を痛感しました。どれだけ子どもたちをケアしても、彼らが本当に求めているのは“安定した未来”です。その現実を前に、さまざまなことを考えさせられました」(髙倉さん)
テレビで見ていた社会問題が、目の前の現実として迫ってきた瞬間、それまでの価値観が大きく揺らいだといいます。結果として、移民政策について「感情や印象ではなく、制度の仕組みや問題の構造から考えることが重要だ」と考えるようになったそうです。
中村さんのインターン先はアイスランドでした。髙倉さんと同じく「NICE」を通じて環境問題に関わる活動に参加し、地熱エネルギーの活用や海洋資源の廃棄物ゼロを目指す循環型社会の実現に取り組む同国で、農場のボランティアとして野菜や花の栽培に携わりました。
「持続可能な農業に関わる中で、環境保全や地域経済の活性化について学びました。環境問題は勉強していても、具体的な解決策をイメージするのは難しいものですが、実際に手を動かすことで、こういうやり方があるんだと実感を伴って理解できました」(中村さん)
加藤さんは、国内でインターンシップに参加。活動先は沖縄の福祉協議会で、認知症の方の金銭管理支援に同行したり、子どもたちに民生委員の仕事を紹介する出前授業のグループワークを手伝ったりと、地域福祉の現場に密着した経験を積みました。
「地域社会でも、問題が起きるまで気づけないことが多いと感じました。人口減少が進む中で地域社会が成り立たなくなるリスクが高まるといわれていますが、こうした現状を踏まえると、地域社会に対する問題意識を持てたことは大きな収穫だったと考えています」(加藤さん)
インタビューの最後に、GYプログラムを通じて、成長できたことや将来の展望についてたずねると、3人はそれぞれ次のような言葉を返してくれました。
「海外で活動していると、日本出身というだけで話しかけてもらえたり、興味を持ってもらえたりする場面が多くありました。そのような経験を通じて、日本にいると気づかない日本の魅力を知ることもできました。将来は、海外の人たちに、そのような魅力を伝える仕事に携わりたいですね。最終的には、そこで得た経験を日本の教育現場に還元できる教師になりたいと考えています」(髙倉さん)

「留学とインターンを通じて、母国語が異なる人たちとコミュニケーションを取りながら、一緒に物事を進める経験ができました。将来は、そこで培ったコミュニケーション力を生かし、海外で活躍できる仕事に就きたいと考えています」(中村さん)
「GYプログラムのサポートがあったからこそ、留学やインターンという未知の領域に挑戦できました。そんな経験を通じて、挑戦する姿勢が身についたと感じています。将来はアジア圏に展開する企業に就職し、多文化の中で自分の価値をどう生み出すかを考えながら働いていきたいです」(加藤さん)
GYプログラムが目指す「グローバル市民」とは、単に英語を話せるだけの人ではありません。異なる背景を持つ人々と協働し、世界の課題に向き合い、自分なりの答えを探し続けられる存在を指しています。3人の言葉からは、世界を自分の目で見ることが、そのような姿勢を育む土台になることがよくわかりました。
