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2026/07/29

研究者マインドを育んだ埼玉大学との15年間

理系人材育成プログラム修了生インタビュー

Profile

大学院理工学研究科 博士後期課程3年
須田亮介さん
(埼玉大学理学部卒業。さいたま市立浦和高等学校出身)

科学者の芽、HiGEPS、HiSEP、HiSEP-6――。埼玉大学が展開する理系人材育成プログラムを中学1年生から受けてきた須田亮介さんは、現在、素粒子論の研究に取り組む博士後期課程3年生。宇宙や素粒子への漠然とした関心が、研究者になるという志へと変わるプロセスを振り返ってもらいました。

「宇宙って面白そう」という思いがきっかけに

――現在取り組んでいる研究テーマを教えてください。

須田さん 物質を構成する最も小さい単位である「素粒子」に関する研究に取り組んでいます。素粒子の研究は大きく分けると、加速器を使って人工的に高エネルギー状態をつくったり、宇宙由来などの高エネルギー現象を観測したりすることで素粒子の性質を調べる「実験」と、実験に対して説明や予言を与えたり、宇宙の誕生などの背後にある法則を数理的に探求したりする「理論」の2つの領域があります。私が取り組んでいるのは後者の理論です。

――なぜ素粒子に関心をもったのですか。

須田さん 中学時代に、埼玉大学が開催している「科学者の芽」プログラムへ参加したことが、素粒子に関心をもつきっかけになりました。科学者の芽は、主に小学5年生から中学3年生を対象に、大学レベルの研究教育を行うものですが、私の場合は素粒子・宇宙線を専門とする井上直也教授(当時、現名誉教授)の指導を受けたことが、その後の進路を大きく方向づけました。宇宙放射線の観測を体験し、宇宙や素粒子への興味が芽生えたことを覚えています。そして、高校でも、引き続き「HiGEPS(ハイグレード理数高校生育成プログラム)」に参加して、井上先生の指導を受けることも決めたのです。そのとき取り組んだ内容に関してはドイツ・ポーランドへの海外研修で英語による研究発表と質疑応答を行いましたが、とてもよい経験になりましたね。

――大学に入る前から研究者を志そうと考えていたのでしょうか。

須田さん 明確に「研究者になろう」と決めたというより、好きなことを突き詰めていたら研究の道に進んでいたという印象です。ただ、物理には天才たちが積み上げた巨大な理論がありますから、中高生のころは「研究なんて自分には無理」という気持ちがありました。しかし「HiGEPS」の中で、先生方が試行錯誤を積み重ねながら発見に至るプロセスを目の当たりにして「天才かどうかにかかわらず、研究は一歩一歩進めていくものなのだ」という理解が得られてからは、研究への思いが強くなっていきました。

研究者マインドを醸成する――HiSEPという選択

――埼玉大学理学部進学後には「HiSEP(ハイグレード理数教育プログラム)」に参加していますね。

須田さん はい。「HiSEP」は、理学部独自の副専攻プログラムで、学外の研究者によるセミナーや他学科との共同討論、英語発表の機会などが用意されています。通常は研究室配属後に初めて分かる研究への向き合い方などについて、1・2年次から知ることができたのはプログラムに参加した収穫の1つです。例えば、データ解析の地道な作業や試行錯誤といった研究の「泥臭さ」にいち早く触れることができました。また、他学科の学生との交流によって、「自分の専門が他分野からどう見えるか」という視点を早くからもてたことも大きかったと思います。その後、修士課程で「HiSEP-6(6年一貫型ハイグレード理数教育プログラム)」を継続したのは、この交流を絶やしたくなかったからです。

――2023年からは理系人材育成プログラムの一環として「HiSEP-Mirai(21世紀型 教養教育プログラム)」という新しいプログラムも始まっています。

須田さん 社会的課題の解決に資する人材になるために、自然科学に加えて社会科学の知識の習得などを目指すプログラムですね。私が大学生のころには、まだ始まっていなかったので、今の学生が少しうらやましいです。

――中学生のころから参加してきた埼玉大学の理系人材育成プログラムを通じて育まれた意識やスキルの中で、現在の研究者としての活動において特に役立っていると感じるものはありますか。

須田さん 研究の内容を周りに伝える発信力でしょうか。プログラムの中では、研究内容を英語で発表する機会が少なくありませんが、「下手でもいいからとにかく話す」ことを実践してきたことで、発信することへの抵抗は早いうちに薄れました。その経験もあり、現在では英語での学会発表や、海外研究者を招いたセミナーでの質問・司会もこなせるようになりました(もちろん、まだまだ下手ですが)。また、さまざまな分野の人と関わり続ける中で身についた、1つの物事に対する多角的な視点も研究者にとっての大切な財産ですね。

――「自分の好きなことがまだ分からない」「研究者になるイメージがわかない」という人も、須田さんのように早いうちから最先端の研究に触れてみると、さまざまな気づきがある埼玉大学理学部ハイグレード理数教育プログラムHiSEP ウェブサイトかもしれません。そのような機会を与えてくれる埼玉大学の理系人材育成プログラムに、ぜひ多くの方に参加してほしいと思います。本日はありがとうございました。

■埼玉大学科学者の芽育成プログラム

■埼玉大学ハイグレード理数高校生育成プログラムHiGEPS-STAR

■埼玉大学高度理工系グローバル人材育成プログラム
 HiSEP(理学部特別教育プログラム)
 HiSEP-6(大学院理工学研究科特別教育プログラム)
 HiSEP-Mirai(21世紀型 教養教育プログラム)

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