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2023/05/17

プライバシーに配慮しながら、位置情報を共有できる待ち合わせアプリを開発

enPiT ビジネスシステムデザイン分野ワークショップにて、本学学生チームの開発アプリが最優秀賞を獲得!

Profile

(左から)

本間さくらさん
工学部情報工学科4年
(東京都立小石川中等教育学校出身)

田原大輔さん
工学部情報工学科4年
(栄東高等学校出身)

中川皓介さん
工学部情報工学科4年
(茨城県立竹園高等学校出身)

太田竜平さん
工学部情報工学科4年
(長野県松本市立県ヶ丘高等学校出身)

埼玉大学工学部では、情報工学科の3年生を対象にした「enPiT(エンピット:成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成)」という教育プログラムを実施しています。これはスマホアプリやシステムデザインの提案・開発などを通して、社会やビジネス上の課題を解決できる人材の育成を目的としたもの。プログラムの最後には、連携校の代表が一堂に介し、成果を発表するワークショップが行われますが、2022年度は本学学生チームがビジネスシステムデザイン分野で最優秀賞を受賞。今回は、このチームのメンバーに開発したスマホアプリの概要や「enPiT」に参加してよかったことについて語っていただきました。

即戦力として活躍できるIT人材の育成が目的

「enPiT」は、PBL(Project Based Learning:課題解決型+共同作業型の演習)を通じて、即戦力として活躍できるIT人材の育成を目指す教育プログラム。2020年度までは文部科学省の事業として展開してきましたが、現在はプログラムに参加する大学間で連携しながら、自主的に取り組みを進めています。
そんな中、埼玉大学工学部情報工学科では、「enPiT」が対象とする「ビッグデータ・AI」「セキュリティ」「組み込みシステム」「ビジネスシステムデザイン」の4分野の内、「ビジネスシステムデザイン(BizSysD)」分野のプログラムを実施。3年生を対象に、毎年9月から翌年2月まで開講されるプログラムでは、チームごとにスマホアプリの企画・開発に取り組むのです。そして、最終的にはチームごとに、開発したアプリを発表。そこで連携校の代表チームが集まって成果を発表する「enPiT ビジネスシステムデザイン分野ワークショップ」の参加チームを選出します。

「enPiT」の最大の魅力は、それまで大学で学んできた開発手法やプログラミングの知識を活用した実践的な取り組みができることでしょうか? また、私たちにとって最も身近なスマホアプリの開発ができるところも魅力の1つだと思います。

「enPiT」内で開発したスマホアプリ「DISTIME」とは?

今回、私たちが開発した「DISTIME(ディスタイム)」というアプリは、待ち合わせにまつわる課題を解消するものです。
待ち合わせの際に、よく利用されているアプリに位置情報共有アプリがありますが、常に位置情報が共有されることを嫌って、利用を躊躇する人は少なくありません。そこで「DISTIME」では、位置情報が共有される時間を任意に設定する機能を実装しました。これなら、必要な時にだけ位置情報が共有されるので、プライバシー面が気になる人も安心して利用できるというわけです。


また、機能がシンプルで使いやすいことも、このアプリの特長の1つ。

利用を始めるには、まずフレンド登録をしている中から待ち合わせするメンバーを選んで、グループを作成します。そして、待ち合わせ場所と位置情報の共有期間を指定すればOK。その後、登録メンバー側が承認すれば、各メンバーの位置情報が共有されるのです。

なお、位置情報がリスト表示とマップ表示で切り替えられるようになっているところもこだわりポイント。リスト表示では、各メンバーの目的地までの距離や、徒歩や自転車など、大まかな移動手段が一目で分かるようになっています。

最優秀賞の受賞が、アプリのリリース計画を後押し!

私たちは埼玉大学の代表として、2023年2月21日に岩手県立大学で行われた「enPiT ビジネスシステムデザイン分野ワークショップ」に参加し、「DISTIME」のプレゼンテーションを行った結果、最優秀賞を受賞することができました。
受賞できたのは、このアプリが、データベースや加速度センサ情報を活用したり、外部の地図サービスと連携させるなど、技術的に高度なことを実現していたことや、利用者のニーズや既存サービスの課題を満たすアイデアを具現化できたことが評価されたからだと考えています。


2023年の夏には、一般の方に向けて「DISTIME」をリリースする予定ですが、最優秀賞をいただいたことで、自信ももって計画に取り組むことができています。
このアプリが役立つシーンは、友人・知人同士の待ち合わせ時に限りません。例えば、修学旅行の自由行動の際に生徒の位置や、飲食店の予約客の来店前の行動を把握するなど、様々な用途が考えられます。リリースしたら、ぜひ、たくさんの人に利用してもらいたいですね。
「enPiT」に参加した結果、チーム開発のノウハウやスキルを身につけることができたと思います。また、大学内での成果発表や「enPiT ビジネスシステムデザイン分野ワークショップ」でプレゼンテーションを行ったこともよい経験になりました。

このチームには、将来、プログラマーとして活躍したいメンバーと、プロジェクトマネジャ(編注:システム開発などを行うチームの責任者のこと)としてシステムやアプリの企画立案に携わりたいと考えるメンバーがいますが、「enPiT」の実践的な学びはどちらにも役に立ったのはいうまでもありません。通常、社会に出てから経験することを、大学生のうちに経験できるメリットは大きいと思います。受験生の皆さんには、埼玉大学工学部の情報工学科に入学したら、ぜひ「enPiT」に参加してもらいたいですね。

 

 

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