理学部の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
学士課程教育においては、適切な教育課程を編成し、「卒業認定・学位授与の方針」にかなう質の高い教育を全学体制で実施する。そのために理学部では、数学科、物理学科、基礎化学科、分子生物学科、生体制御学科の5つの学科を置く。学生は、1年次から5つの学科のいずれかに所属する。
・自然科学分野における十分な知識と思考力修得のため、最初の1年半は基礎教育プログラムとし、学生は専攻する専門領域以外の領域に関する基礎知識も修める。また専門知識を職業に生かす能力の育成のため、インターンシップに関する科目を開設する。
・専攻する専門領域(数学、物理学、基礎化学、分子生物学、生体制御学のいずれか)に関する専門知識とそれを基にした思考力を修得するため、次のように各学科の専門科目の教育課程を編成する。修得した専門的知識を基礎に、新たな問題を発見しそれに取り組み解決する能力を育成し、また国内外の人々とコミュニケーションする能力の獲得を目指す。これらを通じて応用や実用に偏せず基礎理論の重要性を理解する人材の育成も図る。
数学科においては、講義と演習を主体とした教育課程を編成する。数学の基礎知識の修得のため、必修科目を相当数開講し、演習も併設し能動的学修を重視する。最初の2年間は論理的に基礎づけられた形で微分積分学、線形代数学を修め、2年次以降で集合と位相、解学、幾何学、代数学等の基礎的事項を修める。卒業年次では卒業研究を必修とし、より専門性の高い数学を修め能動的に学ぶ姿勢を養う。
物理学科においては、講義・演習・実験からなる教育課程を編成する。講義により物理学の根幹となる知識及び思考様式を修得する。基本となる講義に対して演習を設け、得られた知識を元に自ら考え学ぶ能力を培う。また実験を通して知識・技能を深め、その結果を解析することで思考力を身につける。さらに、演習実験での発表を通じて表現力や他者と協働することを学ぶ。最後に卒業研究により、ここまでに身につけた知識、思考力、能動的に学ぶ姿勢の修得を確認する。
基礎化学科においては、化学の基礎知識修得のため多くの必修科目を設けるとともに、演習及び実験による能動的学修も重視する。また物理化学、無機・分析化学、有機化学という分野ごとに、系統的な教育を一貫して行うように科目を編成する。最初の2年間に物理学、数学も含めた基礎的な科目を修め、2年次以降に専門的な科目を修める。並行して実験科目を修め、化学実験の技法を修得する。卒業年次では卒業演習を必修とし、現代の化学を総合的に理解するための知識、技術を養う。また卒業研究(選択)を通して能動的に学修、研究する能力を育成する。
分子生物学科においては、講義と実験実習を主体とした教育課程を編成する。1年次には論理的思考、および生物英語の某礎を養う科目を通じて、研究に不可欠な語学カ・国際性を涵養し、海外留学や大学院進学への動機付けを行う。2年次には、生化学・分子生物学の専門的知識の修得を開始し、基礎実習科目を通じて基本的実習マナーとレポートの様式を身につける。さらに、生物英語を選択科目として強化する。3年次には専門科Hを重点的に履修し、専門分野の研究に対する興味を高める。また、専門分野の実験実習を通じて高度な実験技術を修得する。卒業年次には必修科目の卒業研究を履修し、最先端の研究課題に能動的に取り組むとともに、大学院進学に挑戦する。
生体制御学科においては、講義と演習並びに実験と実習を主体とした教育課程を編成する。1年次には、講義と演習により生物学の基礎知識と語学力を身につける。2 · 3年次では生物が持つさまざまな制御機構を分子から個体レベルで理解するために必要な専門的知識を修める。また関連する実験と実習を通して、学んだ知識の理解を深めるとともに、実験の基本と技術を修得する。卒業年次では卒業研究を必修とし、併せて専門的な演習を履修することで、科学的素養と論理的思考力を高め、能動的に学ぶ姿勢を育成する。
・国内外の人々と的確に意思疎通できるコミュニケーション能力の育成のため、英語(外国人留学生にあっては日本語代替も可)を必修とする。
・人文学、社会科学及び現代テクノロジーに対する基本的理解の育成のため科目群を編成し、決められた単位数の修得を必須とする。また情報機器に関する基本的理解を修得するための科目、健全な社会生活を送るために必要な基本知識の理解のための科目を、教養・スキル・リテラシー科目(基盤科目)中に設置する。