埼玉大学研究シーズ集2025-27
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ものづくり● 超高圧力下における有機導体の物性研究● 有機導体の超伝導メカニズム解明と新規超伝導体の開発● 固体中の電子が示す電荷のガラス状態の解明● 量子スピン液体状態の圧力制御● 有機導体の核磁気共鳴、ミュオンスピン回転・緩和法など微視的測定40【最近の研究テーマ】産業界へのアピールポイント実用化例・応用事例・活用例小林 拓矢(コバヤシ タクヤ) 助教大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域超伝導の元となる有機分子、高純度単結晶とその結晶構造超高圧力下での単結晶構造解析キーワード 有機導体 量子スピン液体 超伝導● 次世代量子デバイスの基盤となりうる高純度単結晶有機材料の開発● 有機物では例のないダイヤモンドアンビルセルを用いた 10 GPa 級の圧力下単結晶構造解析● 銅やガリウムなど多核種を用いた固体核磁気共鳴測定● セレン含有有機分子の合成● 新規超伝導体・トポロジカル材料の開発● 有機物を用いたスピントロニクスデバイス材料の開発● 低消費電力デバイス材料の開発有機物は、プラスチックなど身の回りにあふれた材料の一つですが、通常電気を流しません。しかしながらここ 50 年くらいで急速に材料開発が進み、有機エレクトロニクスという分野が確立し、柔軟性・軽量性に優れたこれらの材料は現代社会に不可欠となっています。私の研究では、有機物を使い、単に電気を流すだけではなく、さらに超伝導と呼ばれる電気抵抗がゼロになる材料や量子スピン液体、電荷ガラス、ディラック電子系などと呼ばれる、従来の物理学では理解が難しい現象を対象としています。これらの性質は電子相関や特徴的な電子構造が関わるとされ、未知の物理が潜んでおり、量子コンピュータや省電力デバイスなど、次世代技術への応用が期待されて い ま す。 普 段 の研 究 で は、 分 子 合成 技 術 と 精 密 物 性測 定 技 術 を 組 み 合わ せ、 化 学 と 物 理の 境 界 で 誰 も で きな か っ た 発 想 で 研究を進めることで、従 来 の 性 能 を 超 える 有 機 材 料 や 新 しい 物 理 現 象 の 探 索を進めています。● 量子コンピュータの材料候補有機物質で実現する次世代量子デバイスの可能性

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