6グロ ーバル人材育成の戦略海外 協定校との派遣留学・留学生受入れの取 組海外学術機関(協定校)との連携、国際地域別ネ ットワーク教育団体へ の参加 2025 年 5 月 1 日現在、7地域 46カ国と163 件の学術交流協定を締結し、教育・人材育成における実質的な国際化を推進しています。 また、本学の国際戦略の政策形成のため NAFSA(北米)、EAIE(欧州)及び APAIE(アジア太平洋)の国際的な地域ネットワーク年次大会にブース出展し、世界中の教育機関に本学の強みや特色を発信するとともに、国際教育に関する世界標準の情報収集を積極的に行うなど、世界における本学の知名度、信頼性の向上に努めています。中本 進一 留学生向けの就職活動支援においては、履歴書やエントリーシートの書き方、面接対策、日本企業文化の理解など就職促進につながる仕組みづくりが求められます。加えて、留学生が在学中から企業とつながる「地域連携型キャリア教育」と留学生を地域活動に巻き込む包括的プログラム(ホームステイの受け入れ制度の拡充、学校訪問、地域イベントへの参加)を地域行政との連携で実施することも大切です。 埼玉県における留学生の地域定着は、これまでの「一時的な滞在」から「長期的な地域参画」への方向転換を視野に入れ、地域としても多文化共生を進めつつ、留学生に選ばれる地域環境づくりを目指す必要があると思います。そのための議論の深化を目標に、今後 3 年間、地域行政、企業(経済団体)、大学の連携を可視化するためのシンポジウムのシリーズ化を計画しています。野中:中本先生ありがとうございました。 以上のように、本学では日本人学生と留学生がともに学び、交流し、切磋琢磨しあえるようなキャンパスづくりを目指しています。上に紹介した以外にも、日本文化・社会を英語で学ぶ必修科目「Japanese Studies in Global Contexts」、今日の世界的課題を英語で議論できることを目指す選択必修科目「Global Studies and Sustainability: The SDG Approach」 などの科目を開設予定です。また、「日本語支援を体験しよう」や「ビジネス日本語」など留学生の地域交流・定着のための選択科目をさらに拡充し、新たに開設予定です。 日本の大学にとって国際化は重要な課題の一つであり続けていますが、オンライン国際共修や高性能の翻訳ソフトの普及などの新しい要因のために「国際教育」のあり方そのものが大きく変わりつつあります。本学ではそうした変化に対応すべく様々な新機軸を試み、国内外の他大学との交流、地域社会との連携などを通じて、新時代の国際教育を実現していきたいと考えております。皆さまのご助言・ご協力をいただければ幸いです。 本学では、優れた国際感覚と実践的なコミュニケーション能力を兼ね備えたグローバル人材の育成を目指し、海外協定校との交換留学(学生派遣・受入)を積極的に推進しています。 また、学内における国際共修の取組も多様化しており、留学生と日本人学生がともに学ぶ授業や、オンライン国際交流(COIL: Collaborative Online International Learning)型授業の導入、SDGs をテーマとした多文化協働型プロジェクトなど、他国の文化の理解を深める多彩なプログラムを展開しています。 この取組を通じて、語学力のみならず、異なる価値観や背景を持つ人々と協働し、課題解決に取り組む力を備えた人材の育成を進めており、今後も多様な学生のニーズに対応しながら、包摂的で持続可能な国際教育環境の構築を図ってまいります。 派遣留学は学生が実際に海外で生活し、現地の教育環境や社会に身を置くことで、語学能力の実践的な向上を図るとともに、異文化を理解し尊重する姿勢や、多様な価値観に柔軟に対応できる力を育むことを目的としています。一方、海外からの留学生を受け入れることにより、学内における多文化共修の機会が生まれ、日常的に異なる文化的背景を持つ学生同士が交流し、相互理解を深めることが可能になります。学生の多様性への理解が一層促進され、国際的な感性が養われるだけでなく、キャンパス全体の国際化が進展し、教育環境の質的向上にもつながります。本学では、派遣と受入の両面から、国際教育の充実とグローバル社会に対応した学びの場の創出に努めています。
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