統合報告書2025
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mationInfor活動実績部局紹介財務状況受入手続き23科 学 技 術イノベー ションにつな がる卓 越した 成 果 を 生 み 出 すネットワーク型 研 究( チ ーム 型 )活 動 実 績研究構想図を設計します。さらに、ヒトや生物の脳機能や感覚機能を模倣した新たな「ブレインモルフィック光コンピューティング」の学理創成を行います。本研究では、光インセンサーコンピューティング技術の開発、光集積回路・電子回路実装と光電融合、光AIに適した学習技 術の開発、ブレインモルフィック光コンピューティングの4つの主要な研究課題を掲げています。特にライダー用光アクセラレータや高速マシンビジョンに光電融合技術を適用し、高速・低遅延の視覚情報処理のための光インセンサーコンピューティングの技術開発を行います。 本研究の独創性と新規性は、光センサーで取得した大容量のデータから、光の状態のまま特徴抽出を行うためのセンサーとプロセッサの一体型デバイスの技術開発であります。光センサーと光プロセッサを融合させて、個別機能ではなく全体性能を最大化するための設計指針と原理実証を行います。光の状態での高速特徴抽出により、後段の電子回路における学習計算コストの大幅な削減が期待されます。 本研究チームは、金沢大学、北海道大学、名古屋工業大学との共同研究を通じて、光学・情報工学・集積回路工学・数理工学の専門家から構成され、学際的な融合研究を推進する体制を整えています。本 提 案 技 術の進 展は、高齢社会対策での高度ロボットビジョン、高度交通システムでの早期事故防止、科学技術分野における未知の高速現象の検出に繋がり、突発的現象を見逃さない高速・高度 視 覚 の 光イン セン サ ーコンピューティングの社会実装が強く期待できます。 CRESTは、国が直面する重要な課題の克服に向けて、独創的で国際的に高水準の基礎研究を推進し、新たな科学知識に基づく革新的技術シーズを創出することを目的とするネットワーク型研究(チーム型)です。研究総括が定めた方針に基づき、トップ研究者が率いるチームが若手研究者を育成しながら、戦略目標達成に向けて研究を進めます。 大学院理工学研究科の内田淳史教授は、「持続可能な社会を支える光と情報・材料等の融合技術フロンティア開拓」を戦略目標とする研究領域「光と情報・通信・センシング・材料の流合フロンティア」(研究総括 中野 義昭 東京大学大学院工学研究科・教授)における研究課題に「光インセンサーコンピューティングの革新的技術の創成」が採択されました。 人工知能(AI)の急速な社会普及に伴い、機械学習における計算コストの削減は喫緊の課題であります。光を用いたコンピューティング技術の研究が近年盛んに行われていますが、社会実装の可能性を示唆した応用研究は未だ不十分であり、基礎研究と実用化の間には大きなギャップが存在しています。一方で光を用いたセンシング技術は非常に多くの応用分野で発展していますが、光は信号を計測する役割のみであり、大容量の光信号を電気信号に変換した後に、コンピュータ内で複雑な信号処理を行う必要があります。 そこで本研究では、光センサーと光コンピュータを融合して抜本的な設計・開発を行う光インセンサーコンピューティングの革新的技術の創成を目的とします。本研究は単なる光センシングとコンピューティングの一体化ではなく、ヒトの目の網膜での初期視覚の拡張・高次化に相当する特徴抽出のための光リザーバー技術の開発を行い、光センサーと光コンピュータを融合して全体機能を最大化するための高速・低遅延システムC R E S T「 光インセン サ ーコンピューティングの 革 新 的 技 術 の 創 成 」研 究

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