87キーワード香料有機化学,におい分子,分子構造とにおいの特徴,におい受容機構,複合臭,香気素材,お茶α-サンタロールの構造変換とにおいの変化白檀の香気特性■ 研究概要人がにおいを感じているのは,嗅覚にあるにおい分子受容体がにおい分子の構造の違いを明確に認識している結果である。一般の香気素材は,複数のにおい成分からなる。におい受容機構についての検討から得られた知見は,におい分子と受容体との間の複雑な相互作用の存在を示している。におい分子とにおい分子受容体の関係は単純な1:1対応ではない。このようなにおい受容の仕組みのもと人は“においを感じている”。有機分子であるにおい分子の視点から,多数のにおい成分からなる素材の香気特性の新規のにおい解析方法を提案している。この解析手法を用いた様々な素材の香気特性の解明は,におい受容機構について多くの知見を提供している。さらに,におい分子のどのような構造がにおい発現に関係しているのかの検討によって得られた知見が加わることで,におい受容機構が解明され,においに関する様々な問題の解決につながると考えている。■ 産業界へのアピールポイント●におい受容機構を取り入れた複合臭の香気特性の解明●官能評価と含有成分の連携による新規の複合臭解析の取り組み■ 実用化例・応用事例・活用例●これまでの解析手法では,見えてこなかった素材の香気に寄与している成分の特定●新しい香気を有するにおい分子の設計長谷川 登志夫(ハセガワ トシオ) 准教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域【その他の研究テーマ】●素材からの香気成分取り出し方法の検討による重要におい成分群の炙りだし●におい受容体にとっての構造類似を決める構造要因の解明●におい研究手法の体系化多数のにおい成分間の相互作用から生み出される複合臭を解き明かす
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