埼玉大学研究シーズ集2022-23
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6キーワード減災、バイオシールド、Eco-DRR、多重防御、津波遡上氾濫、洪水氾濫、水理模型実験、数値解析、災害調査〈気候変動後の最大降雨データを用いた氾濫状況予測〉〈支川群の河道内樹木管理が荒川本川の水位に与える影響の可視化〉■ 研究概要近年の津波や河川氾濫災害では防災には限界があることが示されています。一方、グリーンインフラと呼ばれる自然要素には災害リスクを低減する機能もあります。2004年、2011年の巨大津波では、海岸林のある個所では津波の被害が軽減されている事例がありました。一方で、防潮堤等と合わせて存在した場合に効果が大きいことも災害調査で判明しました。そうした、自然要素と人工構造物をいかにミックスさせれば減災上も生態系としてもよい状態を作り出せるかに興味をもち、研究を行っています。また、大水害時には昔の氾濫危険箇所が繰り返し浸水する場合も多いため、荒川の水害特性の変遷を学び潜在的なリスクを明らかにしようとしています。水害危険域と避難タイミングを精度よく推定するための避難方法の研究を行っています。また、越水が生じたとしても堤防の決壊を遅らせる対策工法や、水流による堤防侵食に伴う堤防決壊を減らすための洪水時の水の流れ方の研究をしています。■ 産業界へのアピールポイント●充実した水理実験施設群(津波条件を含む造波装置4、水路実験設備3(可変勾配、広幅、平面)、風洞実験設備1)と実験設備(流れの可視化(PIV)設備、レーザドップラー流速計(LDV)設備、分力計他)、現地観測機器類■ 実用化例・応用事例・活用例●北海道の海岸防災林パイロット事業への提案と社会実装●大槌町の復興に対する提案●浸水リスクの可視化手法●津波の遡上氾濫解析、河川氾濫解析に基づく減災型街づくりへの提言●流域全体の水理解析田中 規夫(タナカ ノリオ) 教授大学院理工学研究科 環境科学・社会基盤部門 環境計画領域【最近の研究テーマ】●堤防越水に対して粘り強い河川堤防にするための対策工法に関する研究●河道内樹林化メカニズムの解明と管理に関する提案●地域の水害リスクの解明と貯留・浸透対策の効果の評価方法に関する研究●河川の氾濫と住民の避難タイミング水害リスクを評価し、川づくりに生かし、避難活動に役立てたい

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