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スズを骨格に含む累積サンドイッチ化合物の合成に成功−新しい物性と触媒反応発見への展開に期待−(大学院理工学研究科 斎藤雅一教授 研究グループ)

2014/09/03

概要
 今日隆盛を誇る遷移金属化学の歴史の中で、1951年に合成された、ベンゼンと同様な芳香族性をもつ化合物:芳香族化合物であるシクロペンタジエニルアニオン(C5H5-)が鉄(II)イオンをサンドイッチしたフェロセンは、サンドイッチ構造というそれまでにない概念をもたらした革新的な化合物であった。現在、様々なシクロペンタジエニルアニオンの類縁体が合成され、サンドイッチ化合物の構成単位として用いられている。一方、シクロペンタジエニルアニオンの骨格を構成する炭素を同族で高周期の元素に置き換えると、高周期元素M上の水素も負電荷に変えることができ、メタロールジアニオン(C4MH42-)とすることができる。今回、国立大学法人 埼玉大学[学長 山口宏樹]大学院理工学研究科 斎藤雅一教授らの研究グループは、スズを骨格に有するメタロールジアニオン(スタンノールジアニオン)骨格を用い、従来のシクロペンタジエニルアニオンでは決して合成することができない中性の累積サンドイッチ化合物を合成し、その新しい性質を明らかにすることに成功した。本成果は、2014年8月22日に、アメリカ化学会誌The Journal of the American Chemical Societyのオンライン速報版として公開された。

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