saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例これまでわからなかった複合臭の香気特性を新規香気評価が解き明かす【最近の研究テーマ】●香気素材の香気発現プロセス。●外国産緑茶との比較による日本緑茶の香気の特徴●新規香気評価法の食品への応用  http://www.hase-lab-fragrance.org/index.php?id=1長谷川 登志夫 准教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域香気評価、複合臭、香気特性、成分分析、におい分子、におい受容機構、相互作用キーワード人々の生活を豊かにしたり、不快な思いを与えたり、においなくして私たちの生活はありえません。そして、においに関連する産業は、食品や化粧品など多岐にわたっています。しかし、その本質的なことはほとんどわかっていません。たとえば、身近な樹木のにおい、どんな成分から構成されているかは、わかっていても、そのどの成分が香気にとって重要であるかについては、決定的な証拠は何一つ得られていないのです。それは、含まれているにおい分子がお互いに影響し合って素材の香気を複雑に変化させているからです。このため、単に含有香気成分を分析するだけでは、なかなか解決の糸口さえつかむのが困難です。我々の研究グループは、多数の含有成分をいくつかの香気の特徴の異なった成分群に分けて評価するという香気成分間の相互作用を考慮した新規の手法によって、これまで解決できなかった素材の香気特性を解明することに成功しています。我々の提案している新規手法によって、これまで解決することが困難であった以下のことについての手がかりを得ることができる。●素材のにおいを決めている成分は何か?●素材の品質をきめているにおい成分は何か?●緑茶の香気を決めている香気成分群の特定。●森林の樹木の香気成分の解明により、生理活性が期待される成分の特定。〈新規香気評価法の概略図〉〈においを感じる仕組み〉ライフ86

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