saidaiseeds2016-17
92/126

埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイントホルモンや生理活性物質の機能と作用機構に関する研究ホルモン、受容体、シグナル伝達、生理機能、抗菌ペプチドキーワード【最近の研究テーマ】●我々の研究グループでは、生理活性物質に関する研究を多角的に進めるため、研究目的に適した様々な実験動物(哺乳類、鳥類、両生類など)を用い、分子・細胞・組織・器官・個体の各レベルで、多様な研究手法を利用して解析を進めています。●上記以外に、ある種のタンパク質修飾酵素に関する研究等も進めています。●分析技術の進歩には著しい進展が見られます。新しい手法も取り込みながら、新たな生理活性物質を求めて探索を進め、その機能について明らかにしたいと考えています。  http://endocrine.seitai.saitama-u.ac.jp/小林 哲也 教授大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域Ⅰ】ホルモンの分泌調節機構の解析:脳下垂体前葉から分泌されるホルモンのひとつであるプロラクチン (PRL)は、乳腺の発育、水電解質代謝や生殖活動への関与など、極めて多様な生理作用を有しています。我々は、このPRLの分泌調節機構について、多様な生息環境に適応している両生類を用いて解析を進めています。現在は、視床下部性の分泌調節因子がPRL細胞を刺激した際、細胞内でおこるシグナルの変換機構について、様々な方法(ホルモンの測定、培養系、アゴニストやアンタゴニストを用いた薬理学的手法、クローニング、免疫組織学的手法など)を利用することで解析を進めています。Ⅱ】新規生理活性物質の探索と機能解析:生理機能の調節には様々な生理活性物質が関わっています。我々の研究クループでは、鳥類に特有な免疫器官であるファブリキウス嚢やその他の器官から、自然免疫を担う抗菌ペプチドを、分子生物学的・生化学的手法などを用いて同定するとともに、その生理的役割について探っています。●抗菌ペプチドの持つ抗菌活性はペプチドが有する物理化学的性質によって発揮されるため、社会問題となっている耐性菌が生じにくいと考えられています。このため、世界中でその応用に関する研究が盛んに行われています。●我々の研究室で現在進めている研究はいずれも基礎に重点をおいていますが、応用研究を進めるためには必要不可欠のものと考えています。 ライフ85

元のページ  ../index.html#92

このブックを見る