saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例ミトコンドリアの維持と寿命の関係【最近の研究テーマ】●ミトコンドリアDNAの維持機構●アカパンカビにおけるミスマッチ修復●加齢とミトコンドリア分解メカニズムの解析●DNAランダム挿入機構の解明  http://seitai.saitama-u.ac.jp畠山 晋 准教授大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域寿命、老化、ミトコンドリア、ミトコンドリアDNAキーワード日本は4人に1人が65歳以上という超高齢化社会である。高齢者の中には、活発なかたもいれば、老いに任せているようなかたもいて、さまざまである。一体、この「老い」には何か関わっているのであろうか?私は、遺伝子の観点でその問題を解明してきた。アカパンカビを用いた実験によると、その原因のほとんどがミトコンドリアの維持機構に関係していた。ミトコンドリアは、活動のためのエネルギーを生み出すパワーハウスであるが、日々の酷使のため、それ自体に悪い部分が生じてしまう。生命活動を継続する上で悪い部分は淘汰されるのだが、その機構のどこかに異常がある場合には、ミトコンドリアに不具合が生じ、結果として細胞の寿命が早まるのである。この機構に関わる遺伝子の機構を明らかにすることは、ミトコンドリアをもつヒトの寿命研究にも役立てられ、難治性のパーキンソン病の治療や、ヒトの加齢メカニズムの解明にもつながると考えられる。●難治性ミトコンドリア病の解明のためには、未同定の遺伝子の機能の解明が必要●ヒトにおいて新たに遺伝子を解明するには倫理上の問題が多い●遺伝学的解析に優れており、ミトコンドリアを有するアカパンカビを用いることで新規のアプローチが可能●将来的に老化・寿命に関連する医療・健康分野に対する情報提供ができる〈ミトコンドリアの淘汰異常〉野生型(正常)変異体(異常)ライフ84

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