saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例液中の表面構造を原子・分子分解能で直接観る!周波数変調原子間力顕微鏡、原子・分子分解能観察、固液界面計測、局所水和構造計測、生体材料観察、電気化学反応観察、表面物性計測キーワード【最近の研究テーマ】●液中FM-AFMによる物性計測技術(電位分布、電子状態)の開発●結晶成長プロセスの原子スケール観察●電気化学反応・触媒反応プロセスの原子スケール観察●食品由来化合物の添加による生体膜の原子スケールでの構造・物性変化に関する研究  http://park.saitama-u.ac.jp/~nakabayashi-lab/小林 成貴 助教大学院理工学研究科 戦略的研究部門 ライフ・ナノバイオ領域周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)は、探針を試料表面に近づけたときにその先端にはたらく相互作用力を利用した顕微鏡で、液中の表面構造を原子・分子分解能で直接観察することができる強力な液中ナノ計測技術です。固体と液体が接する固液界面は、様々な物理学・化学・生物学的現象が起こる興味深い反応場です。我々はFM-AFMを用いて、そこで起こる現象を単一原子・分子レベルで直接観察し、そのメカニズムの解明に迫っています。最近では、FM-AFMを用いて、固液界面における相互作用力の3次元空間分布を原子スケールで計測することで、界面に形成される水和構造の可視化にも成功しています。水和構造を直接観察することができるのはFM-AFMだけであり、この技術によって化学反応や生体分子の機能と水和構造の関係性のより詳細な理解が得られると期待されています。また、液中FM-AFMによる電子状態や電位分布を原子スケールで可視化する物性計測技術の開発にも取り組んでいます。●世界でもトップクラスの空間分解能で液中の表面構造を観察できる。●界面に形成された水和構造を原子分解能で直接可視化できる。●液中表面の電位分布をナノスケールで可視化できる(特許出願)。●光学材料結晶の表面における成長・溶解プロセスの原子スケール可視化(J. Phys. Chem. C (2013), J. Appl. Phys. (2016))●イオン結晶と水の界面に形成される局所水和構造の原子スケール可視化(Phys. Rev. B (2015), Nanoscale (2016))●金属材料の腐食過程における液中電位分布状態の観察(ACS Nano (2016))〈FM-AFMの原理〉〈マイカの液中原子像〉〈カルサイトの局所水和構造〉グリーン・ナノ材料77

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