saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例目に見えない放射線を可視化する放射線、可視化、色素線量計、カラーフォーマー、オルガノゲル、有機合成キーワード【最近の研究テーマ】●フェノキサジン・フェナジン系発色色素の開発●スピロピラン類似発色色素の開発●トリフェニルメタン系発色色素の開発●新しいトリンダー試薬、カプラーの開発●新しいオルガノゲル化剤の開発  http://www.apc.saitama-u.ac.jp/太刀川 達也 講師大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域東日本大地震における福島第一原発事故以来、放射線に対する人々の関心は高まっています。放射線は人体に悪影響を及ぼすことが知られていますが、人間の五感で感知することができません。そこで、外部刺激で無色から有色へと構造が変化する有機色素化合物(カラーフォーマー)を用いた色素線量計を開発し、放射線を視覚で感知できるようにするのが我々の研究の目的です。発色しやすいカラーフォーマーの保存時の安定性を高めること、あるいは、発色しにくいカラーフォーマーのガンマ線に対する発色感度を向上させること、さらには、媒体として環境負荷の小さい水や扱い易いゲル、フィルムなどを用いることで、低線量の放射線で発色し、室温で安定に保存できる放射線検出材料を創製することを目標に、様々な種類のカラーフォーマーの合成と、それらを用いた色素線量計へのγ線照射による発色能の評価や経時安定性の評価を行っています。●必要な線量域(1Gy程度~1kGy以上)に応じた発色を示す種々のカラーフォーマーの合成が可能です。●ガンマ線のみならず、重粒子線、紫外線、X線、電子線などでも発色が可能です。●有機溶媒、オルガノゲルのみならず、水溶液、ヒドロゲルでの発色材料を開発しています。●特許の出願も行っています。●放射線照射施設などでの線量管理●放射線照射施設や屋外での線量チェック〈図2 色素ゲル線量計への粒子線照射による発色の様子〉〈図1 カラーフォーマーゲル線量計の発色例〉グリーン・ナノ材料69

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