saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例分子の利き手を見分けて分離する。【最近の研究テーマ】●結晶化を利用した中性化合物の光学分割●有機ゼオライトの開発●キラル化合物の不斉合成反応への応用●機能性超分子ゲルの開発  http://www.apc.saitama-u.ac.jp/ykogyo/小玉 康一 准教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域光学分割、不斉化学、結晶工学、有機合成化学、超分子化学キーワード有機物には性質のよく似た右手型と左手型の分子(エナンチオマー)が存在することが多く、通常の用途ではそれらの混合物が用いられています。しかし食品や医薬品、香料などの生体が関わる用途の場合、この左右の分子は異なる作用を示すことがあります。そのため、混合物からそれぞれのエナンチオマーに分離することが重要になります。結晶化を利用してエナンチオマーを分離する技術は既に知られていますが、従来の方法では左右どちらか一方の分子しか得られず、さらにどちらの分子が得られるかわからないという問題点がありました。この研究では、結晶化の際に使用する溶媒の種類を変えるだけで、両方のエナンチオマーを得ることができる方法を見つけました。これは、用いた溶媒が化合物の結晶内部に含まれることが鍵であることがわかっています。現在、分離効率・汎用性・経済性の3つを兼ね備えた方法の開発を目指してさらに研究を進めています。●必要な工程を大幅に削減できます。●溶媒や化合物の使用量を減らすことができるため、安価に合成できます。●関連特許を出願しています。●ラセミ体マンデル酸の溶媒変換光学分割(J. Org. Chem. 2013, 9309.)●ラセミ体トロパ酸の溶媒変換光学分割(Tetrahedron. 2014, 7923.)●ラセミ体スルホキシドの光学分割(日本化学会第95春季年会2015)グリーン・ナノ材料68

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