saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント独自の分子を用いて電池、触媒、電子材料を開発します。【最近の研究テーマ】●高反応性化学種を用いた小分子の活性化●非局在化するσ電子の化学の体系化●結晶構造の制御による光学材料の創製  http://www.chem.saitama-u.ac.jp/msaito-lab/index.html斎藤 雅一 教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域多価イオン材料、遷移金属錯体、触媒、電子材料キーワードベンゼンに代表される芳香族化合物の特異な性質を説明する「芳香族性」の概念を拡張することを目指し、スズや鉛を骨格に含むジアニオン性芳香族化合物を世界で初めて合成した。一分子に二つのリチウムをもつこの分子を活かしたリチウム電池を試作し、この化合物を配位子とした遷移金属錯体でもリチウム電池の陽極材料として機能することを示した。さらに、この錯体を触媒として用いた合成反応を発見した。今後、これらの遷移金属錯体を用いた電子材料の開発を目指したい。●周期表にあらゆる元素を巧みに操り、どんなに不安定であっても、新しい化合物を合成・精製・単離する技術をもっている。●合成する化合物の全てが新規物質なので、秘めている物性もまた新規であることが期待できる。●新規物性開拓という観点から手詰まり感がある分野に対して、新規物質によるブレイクスルーをもたらすことができる。スズや鉛を骨格に含むジアニオン性芳香族化合物:多価アニオン等価体(置換基を省略)ジアニオンとみなすことができる初めての中性連結サンドイッチ型ルテノセン:電子材料への応用が可能(置換基を省略)グリーン・ナノ材料62

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