saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例スピンを制するものは省電力も制する!回路構成の単純化!さらに製造費用も動作電力も低減可能!【最近の研究テーマ】●両極伝導性水素吸蔵体を利用した電荷・スピンの相反型蓄積機能●磁性電極と非磁性伝導体から構成する不揮発型論理ゲート●低温下、極低濃度水素ガスを用いた希土類水素吸蔵型金属および半導体製造●異常ホール効果が誘起する巨視的電場の伝播方程式とその自己無撞着解酒井 政道 教授大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域スピン、スピンホール効果、論理ゲート、両極性伝導、希土類元素、水素吸蔵体、CMOSキーワード携帯型情報処理機器などが、ポケット電卓の様に、太陽電池だけで動作できれば、どんなに便利でしょう。それには、太陽電池の発電効率を向上させると共に、デジタル製品の消費電力を格段に下げるのが有効です。私たちは、後者の消費電力を格段に下げることを目指した研究を、電子が先天的に獲得している「スピン磁気モーメント」に注目して行っています。なぜスピンに注目するかと云うと、電子の運動が電流だけ無く、磁気モーメントの流れ(これをスピン流と云う)をもたらし、それらを適切に使い分けると、エネルギー及び情報の蓄積・輸送を極省電力で実現できる見込みがあるからです。また、私たちは、希土類金属を用いた水素エネルギーの有効活用研究をスピン流の観点から取り組んでいます。●いよいよCMOS技術からの離脱か。●スピンホール効果(物質中における相対論効果)を利用する論理ゲート。●ソース・ドレイン電極と電圧検出の4端子から構成。●1個のホール素子が6組分のCMOSに対応。●論理和(OR)や論理積(AND)機能を搭載。●関連特許登録3件あり。●論理ゲートへの応用●磁気的不揮発メモリやノーマリーオフコンピューターへの応用●排他的論理和ゲートを用いた暗号化通信への応用書込み電流(入力信号)によって、電極磁化を反転させて動作するEXNOR(EXOR+NOT)ゲート。電極磁化が反平行時のみ出力電圧がHighレベルになる。メモリー素子としても動作可能。情報通信技術40

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