saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例ナノ潤滑膜厚計測による添加剤の潤滑性能評価【最近の研究テーマ】●摩擦膜厚同時計測システムの開発●狭小隙間案内面における摺動抵抗と漏れ量の同時計測●ヨー角ミスアライメントを利用した摩擦振動の抑制●異方的支持剛性による自励振動の抑制田所 千治 助教大学院理工学研究科 人間支援・生産科学部門 人間支援工学領域トライボロジー、ダイナミクス、自律システム、機能性材料キーワード機械の高効率化(省エネルギー化)のために、可動部における摩擦損失を最小化する研究に取り組んでいます。摩擦低減効果の高い潤滑油を開発するためには、添加剤の潤滑膜形成能力を調べる必要があります。例えば、油性添加剤として使用される脂肪酸は、0.1wt%以下の微少な添加量であっても優先的に金属表面に吸着して吸着膜を形成することで、金属同士の直接接触を妨げ、摩擦抵抗を低減させます。その吸着膜は単分子層なので、数ナノの厚みしかなく、形成過程を調べることは従来技術(市販装置)では困難でした。そこで、光学シミュレーションを元に潤滑膜厚を同定する光学系と計測位置を固定可能な往復駆動系を統合した潤滑膜厚計測装置を独自開発し、サブナノメートルオーダーの膜厚変化を計測可能としました。この装置を高性能な潤滑油の開発に役立てたいと考えています。●サブナノオーダーの膜厚変化が計測可能●添加剤吸着膜の膜厚が計測可能●少量(100µl)の潤滑油サンプルで評価可能●同装置にて摩擦係数も計測可能●液晶の自律的粘度変化を利用したスマート潤滑システムの実証●添加剤自己組織化膜の形成過程と潤滑効果の調査●基油と添加剤の組合せ潤滑効果の調査〈ナノ潤滑膜厚計測装置〉〈ステアリン酸の吸着膜形成過程〉ものづくり34

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