saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例都市の災害復旧力を高めるプログラマブルストラクチャ【最近の研究テーマ】●可変定荷重ばねユニット●可変正負剛性ばねユニット●自動展開構造物●長周期対応免震システム齊藤 正人 教授大学院理工学研究科 環境科学・社会基盤部門 社会基盤創成領域/研究機構 レジリエント社会研究センター地震対策、倒壊制御、レジリエント構造、プログラマブルストラクチャ、道路閉塞、建物倒壊キーワード自然災害に対して、回復力の高い街づくりが近年重要な課題となっています。地震災害においては、設計当時には予想しなかったような地震が発生する可能性があります。例えば、平成28年熊本地震のように、震度7の地震が2回連続で発生することはまさに「想定外」でした。しかし、どんなに強い建物を建設しても、更なる未知の地震には脆弱かもしれません。そこで地震対策の発想を大きく転換し、倒壊を想定してその後の適切な対応を進めていくことが、今後の地震対策では重要ではないかと考えました。仮に道路沿いの建物が倒壊すると、救助や物資輸送のための緊急道路が閉塞される可能性があります(図1)。この閉塞により、復旧が大幅に遅れることが予想されます。また、人的被害を拡大させる危険性があります。本研究では、倒壊による被害拡大や復旧遅れを回避するため、望ましくない方向に倒壊しないようにプログラムした構造物を開発しています。●倒壊方向をコントロールするためのデバイス「ワンウェイガイダー」を提案(図2)●この新技術は、埼玉大学研究機構レジリエント社会研究センターと鉄道総合技術研究所の共同研究の成果●地震によって損傷が集中する箇所(塑性ヒンジ部)の一方向に、ワイヤーやブロックを設けることで、倒壊方向を制御●鉄道構造物に関しては、解析と実験による検証を実施●住宅に関しては、ねじれ倒壊を含めた新機構を開発中●木造・鉄骨・コンクリート造住宅の倒壊対策●道路や鉄道等の橋梁の倒壊対策●屋外・室内機器の転倒対策●通学・通勤路沿いの擁壁・標識・電柱等の安全対策図1 構造物の倒壊方向による安全性と復旧性図2 倒壊方向を制御するデバイスワンウェイガイダー社会基盤12

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