saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例試験管内で解明かすタンパク質の潜在機能を応用研究へタンパク質機能解析、植物遺伝子発現、試験管内タンパク質合成、酵素、膜輸送体、タンパク質工学キーワード良質なタンパク質を得る手法として、試験管内タンパク質合成系は非常に優れた技術です。例えば動物のタンパク質については殺生をせずに試験管内で作れます。絶滅危惧種や直接取り扱うと危険な感染症微生物の場合にも、DNA断片さえあれば医学的に重要なタンパク質も安全な環境下で作ることができます。現在は、機能を調べることが困難とされる膜タンパク質や酵素タンパク質に焦点を絞って研究をしています。膜タンパク質は薬の標的になるものも多く医薬・農薬の研究に重要です。また、膜輸送体として栄養分または排泄物の細胞への出し入れをコントロールする重要な働きをするものも多く、これらの働きの解明は学問的にも大きな意義があります。酵素タンパク質は自然界に存在する化合物を常温・常圧で効率よく作り出せる理想的な触媒です。試験管内で改良、すなわち分子進化させることにより、より高度な機能を獲得させた酵素を作り出すことも可能です。●通常組換え系では機能を再現することが困難なタンパク質を高品質で生産可能●膜タンパク質も脂質膜の添加条件により機能を持った形で作ることができる●活性を失いやすい酵素タンパク質も安定的に合成することが可能●改変酵素遺伝子の利用に関する国際特許出願あり●希少アミノ酸トリプトファンの含有量を向上させたイネの作出に成功●葉緑体およびミトコンドリア膜輸送体の試験管内再構成系の構築に成功●赤痢アメーバや熱帯熱マラリアのミトコンドリア膜輸送体の機能を解明【最近の研究テーマ】●イネ由来薬剤分解酵素の産業利用に向けたタンパク質科学的研究●植物タンパク質合成制御系の解析とタンパク質生産技術への応用●ディスク型脂質膜を利用した膜タンパク質の機能再構成系の構築●バクテリアの遺伝子発現制御タンパク質の機能解析と創薬への応用  http://park.saitama-u.ac.jp/~tozawa/protein_sci_res_unit_home.html戸澤 譲 教授大学院理工学研究科 戦略的研究部門 グリーン・環境領域ライフ101

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