saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例オンとオフの転写因子のバランスで植物の形質を変える【最近の研究テーマ】●植物の細胞伸長を制御する拮抗阻害システムの解明●植物の高温応答を制御する転写リプレッサーの解析●植物の側生器官形成を制御する転写リプレッサーの解析●転写因子を用いた植物形質転換技術の開発  池田 美穂 准教授大学院理工学研究科 戦略的研究部門 グリーン・環境領域植物形質改変、遺伝子、生理学、物質生産、転写因子キーワード植物は環境を浄化し、人に癒しを与えるとともに、食物や衣類、住居、薬、工業材料、燃料にもなる大切な資源です。私達は、植物の能力を活かした持続的な社会発展と地球環境保全をめざして、様々な植物システムを制御する『転写因子』を研究しています。『転写因子』は、他の遺伝子の働きを統括的に制御する管理職的因子で、私達の研究材料(シロイヌナズナ)の場合、全遺伝子の約10%(約2000個)を占めます。私達は転写因子の中でも、ブレーキのように他の遺伝子の働きを不活発化する『リプレッサー』の働きに特に着目しています。車の走行にアクセルだけではなくブレーキが重要なように、植物においても、アクセルのように他の遺伝子の働きを活発化する『アクティベーター』と、ブレーキ因子『リプレッサー』がバランスよく機能することで、葉や実の形や大きさ、高温などのストレスへの耐性獲得など、様々な現象が最適に調整されていることを解明しつつあります。●植物のサイズ(葉や実、草丈の大きさ)を変える(特許登録)。●植物の高温ストレス耐性を改変する。●枝や葉、実の数を増減する。●植物の物質生産性の向上(特許出願中)。●植物の分化全能性を制御する。●高効率に医薬原料を生産する植物工場用基盤植物の開発〈転写アクティベーターとリプレッサー〉〈転写因子を改変して植物の形質を変える〉ライフ100

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