saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例遺伝子レベルでリグノセルロースバイオマスを改変する【最近の研究テーマ】●リグノセルロースバイオマスの量的形質を改変させた植物の作出●二次細胞壁形成制御因子のタンパク質安定性に関する研究●イネの物理的強度を制御する遺伝子の同定●環境ストレス応答に関与する転写因子の作用機構に関する研究  http://park.saitama-u.ac.jp/~myamaguchi/index.html山口 雅利 准教授大学院理工学研究科 戦略的研究部門 グリーン・環境領域植物細胞壁、リグノセルロースバイオマス、植物分子育種、植物分子生物学キーワード植物細胞壁は、物理的強度の獲得や病害抵抗など重要な役割を担っている。一方、細胞壁の構成要素であるセルロースやリグニンなど高分子化合物は、バイオエタノールやバイオポリマーなどの材料として注目されている。この細胞壁を対象とするリグノセルロースバイオマスは、稲わらや廃材など、植物細胞で構成されるあらゆるものに含まれていることから、持続的で再生可能なバイオマスとして期待されている。また、樹木の材の大部分を占める維管束木部を構成する細胞ではより肥厚した二次細胞壁を形成する。私たちは、細胞壁形成に関わる遺伝子の同定やその分子機能について研究を行っており、これまでに二次細胞壁全体を制御する鍵遺伝子を同定している。また、これらの遺伝子の働きをコントロールすることで、二次細胞壁の量や質が改変された植物の作出にも取り組んでいる。●細胞壁形成機構に関わる遺伝子を多数同定●バイオマス利活用に有用な植物体作出を行う●特許出願実績あり●細胞壁形成以外の植物の生理現象についても遺伝子レベルで解明することもできる●二次細胞壁の人為的誘導システムの開発●繊維細胞の二次細胞壁の量的形質を低下させた植物体の開発〈図1 二次細胞壁形成を制御する遺伝子〉〈図2 花茎の断面図。野生型(左)と比べて作出した植物体(右)の二次細胞壁が薄くなっている〉ライフ98

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