saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■ 研究概要■ 産業界へのアピールポイント■ 実用化例・応用事例・活用例持続可能な水循環システムの構築に向けて都市環境、物質循環、水環境キーワード【最近の研究テーマ】●水質汚染物質の迅速分析手法の開発●太陽光を用いた有害化学物質の分解性評価  http://www.env.gse.saitama-u.ac.jp/labs/junkan/junkanmain.htm三小田 憲史 助教大学院理工学研究科 環境科学・社会基盤部門 環境科学領域今年(2016年)、関東地方における渇水が大きな社会的なニュースとなっています。今後、気候変動によってさらなる水資源の不安定化が懸念されています。このような中で、都市における潜在的な水資源として下水処理水が有望視されていますが、現在のところ国内では僅少の用途・事例に限られています。いずれの用途でも下水処理水の再利用を推進する上ではその水質が重要となり、なかでもトリハロメタンを始めとする消毒副生成物は水の安全性を左右する大きな要因となります。その消毒副生成物の制御には、前駆体となる有機物について知る必要があります。ところが、消毒副生成物に関する研究はたくさんあっても、その前駆体については分からないことが多く残っています。そこで、下水処理水の再利用促進や持続可能な水循環社会構築を目指し、都市の河川水にあって消毒副生成物の原因となる物質の種類やその分解特性を調べています。●あらゆる人間活動に必要不可欠な資源である水の安定供給に貢献します。●消毒副生成物前駆体を対象とした研究により、効率的な処理方法の確立が可能になります。●研究の過程では、事業所からの排水管理にも有用であると思われる新たな水質評価方法の確立も目指しています。●塩素副生成物制御方法の確立●再生水の利用促進●日常分析に用いる簡便な水質モニタリング手法の開発●水質汚濁の原因究明とその改善●新たな水循環システムの構築下水処理が流れる河川の上流(右)から採取した水の蛍光スペクトル消毒副成分物の原因と疑われる物質のシグナルが流下によって低下している。社会基盤3

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