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【埼大生による訪問レポート】経営者インタビュー/株式会社 テレビ埼玉 代表取締役社長 平本 一郎氏

2014/09/05

埼玉大学では、自分の夢にチャレンジする元気な学生を育てることや、卒業生と大学とのリレーションをより緊密にして行くことを目的として、「埼大生による経営者インタビュー」や「埼大生による先輩訪問」など、埼大生による企業訪問の取組みを行っています。
学生が、各界でご活躍されている経営者や卒業生を訪問してインタビューを行い、感想や他の学生に伝えたいことなど、学生がレポートを作成して発表していきます。

1.訪問先

株式会社 テレビ埼玉

-経営者プロフィール-
代表取締役社長 平本 一郎氏 (ひらもと・いちろう)
1953年埼玉県大宮市(現さいたま市)生まれ。埼玉大学経済学部経済学科卒業。1978年に設置されたテレビ埼玉開局準備室から関わり、翌79年4月の開局時に入社。東京支社長、スポーツ局長などを歴任し、2009年に取締役に就任後、2011年に代表取締役社長に就任。61歳。

-会社概要-
テレビ埼玉は、埼玉県内に本社を置く唯一の地上波テレビ局として、1979年4月に開局。プロ野球・埼玉西武ライオンズ、Jリーグ・浦和レッズ及び大宮アルディージャ、高校野球埼玉大会などスポーツ中継をメインコンテンツに、埼玉の情報や経済などを紹介する地元に密着した番組から、音楽・バラエティ・アニメなど幅広いコンテンツを放送している。愛称は「テレ玉」、キャラクターは「テレ玉くん」。売上高は42億2400万円(2013年度)。

2.訪問学生
経済学部3年 伊澤 美沙
教育学部3年 岡田 珠実
経済学部2年 大塚 愛真

3.日時・場所
平成26年8月21日(木)14:00~
埼玉県さいたま市浦和区常盤6-36-4

4.感想
平本氏の学生時代と現在までの人生観のお話から、「いかに役に立たない物・事を学ぶことが大事か」、「無用の用」というキーワードを得た。「無用の用」とは、文字通り役に立たないことそのものの役割である。たとえば、「恋人の好きなものを独学で勉強したり、友人の趣味を実際にやってみたりすることで、いくらでも教養は深まる。」と、平本氏は自身のエピソードを交えて語る。このことが事実だとすれば、交友の幅が広がれば広がるほど、また、自身の努力・習慣次第でいくらでも知識が自然と増えることになる。すなわち、幸福や成功のきっかけは、周囲への関心から生まれるのだ。
現代日本では、企業経営において効率の良さを、個人のキャリアデザインや人とのつながりにおいては、意味の有無や将来性を重視する傾向が目立つ。私たち学生も含め社会全体が、結果ばかりを追い求めるのではなく、時を感じるひと時や有意義な無駄な時間を持つことは、簡単ではないが大切なことであると感じた。
インタビュー後、放送局の施設見学をさせて頂いた。アナウンサーやカメラマンを初め、制作や音響、照明、CG映像をつかさどる人たちが協力して番組を作成していた。普段見ているテレビ番組の作成過程と仕事風景に触れられ、とても興味深かった。 

経済学部3年 伊澤 美沙

私が平本氏のお話を聞いて最も印象に残ったのは、学生時代のエピソードを非常に生き生きと語る平本氏の姿である。友だちと居酒屋を飲み歩いたこと、JAZZにはまっていたこと、好きな女の子の影響で絵画に興味を持ったことなど様々なお話をしてくださったが、それを語る平本氏の表情は凄く楽しそうで、充実した学生生活を送っていたことが受け取られた。そして平本氏は「学生時代にしかできないことを多く経験すべきだ。」とお話してくださった。大学生というと、自由な時間が多くある反面、自分の将来と真剣に向き合い、それに向けて行動を始めなければいけない大切な時間である。私自身、現在3年生で就職活動を控えていることもあり、「何をしたら将来に役立つのか」「今行っていることは、自分の人生において本当に意味があるのだろうか」などと考えることがよくある。しかし、平本氏は「役に立たない、得にならないものほど、要を為している。」とおっしゃっており、「将来に役立つ知識」だけを得るよりも、多くの人との出会いの中で、たくさんの「役に立たない知識」を得ることで、人間としての深みが増し、それが自分自身を成長させてくれるものになるのだと感じた。つまり、人生に近道はなく、遠回りした分だけ、自分らしい密度の濃い人生を送れるのではないだろうか。
「将来を考えて消極的になるよりも、今を積極的に生きたい」これが平本氏のお話を聞いて私が最も強く感じたことであり、また他の大学生にも伝えたいことである。自分にとっての損得を考えてから行動するのではなく、残りの学生生活では自分の興味のあることに、少しでも多く挑戦できればと思う。
その後、放送局の施設を見学させて頂いた。テレビ局には様々な仕事があり、多くの人が働いていた。どの方も、真剣な眼差しで仕事に取り組んでおり、その姿からそれぞれの仕事への愛情や情熱が感じられた。私も約1年半後には社会人として働くことになるが、誇りをもって働ける仕事に出会いたい。

教育学部3年 岡田 珠実

平本社長の「役に立たないことをいかに覚えるか」というセリフがとても印象に残っています。私たちは常に効率を求めがちです。しかし、知識というものは効率よく求めるものではありません。読書だったり、友人との付き合いだったり、私たちが触れたもの、見たものから手に入れることができるのです。平本社長のエピソードに、昔好きだった女の子の話がありました。社長は女の子が美術が好きだったから、美術に深く関わるようになったそうです。もし、その女の子に出会っていなければ美術に興味を持つことはなかったとおっしゃっていました。趣味や仕事、明日食べる夕食さえ、何がきっかけになるかは分かりません。そのきっかけは、人との出会いや本、テレビなどいろいろなところにちりばめられているはずです。私たちの人生そのものが常に学びの場であり、そこで得たものが自分の経験の一部となって、いずれは何かにつながっていくのでしょう。そして、私たちそれぞれが積み重ねた経験は自分だけのものであり、他人が真似することはできません。逆に、成功者の真似をしたから自分も成功するとは限らないのです。あくまで、その人の経験の積み重ねであり、時代や家族、出会う友人まで真似をすることはできないからです。何がきっかけになるか分からない。ならば、自分の時間を精一杯、何かを得る時間にしたいです。この大学生活でも、人とのつながりや、趣味を思う存分楽しもうと思います。
インタビュー後の施設見学では、テレビ制作のリアルな現場を見ることができました。テレビ画面に映っていないところで、多くの人が真剣な眼差しで機械の操作や現場への指示出しを行っていました。ここで働いている方々にも、今の役職に就いたきっかけが人生のどこかにあったのだろうと思いました。

経済学部2年 大塚 愛真

インタビューの様子

学生のインタビューに答える平本社長(右側)

平本社長を囲んでの記念撮影

放送局施設を見学

スタジオ内での記念撮影

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