国際交流

国際交流戦略構想

−Global Access Universityとしてのアイデンティティ確立−

埼玉大学国際交流センター

埼玉大学は平成18年7月1日に新たな組織として国際交流センターを立ち上げました。これまで全学教育学生支援機構内にあった留学生センターを発展的に解消し、それに総合研究機構の国際交流推進機能を付加して新たな独立組織としたものが同センターです。言うまでもなく、大学の国際交流・連携活動は、教育と研究の両面から行われております。本学では教育面については留学生センター、研究面では総合研究機構という分業体制を敷いておりましたが、本来、不可分である活動を二つの組織で行うことの非効率性を無くすよう、両者を一体化しました。

国際交流センターの設置には「国際交流・連携の企画・立案機能を一層強化する」という、より積極的な意味合いが含まれております。全学教育学生支援機構や総合研究機構と同格の組織として、責任を持って教育・研究の両面から国際交流・連携を企画・立案・実施していくこと、それが国際交流センターの担う役割です。

国際交流センターをスタートさせたことを機に、埼玉大学の国際交流戦略構想を新たに打ち出しました。これから次期中期目標・計画期間までを見通し、本学がとるべき国際交流・連携のあり方について、「埼玉大学の国際交流戦略構想―Global Access Universityとしてのアイデンティティの確立」として纏めました(Global Access Universityとは、埼玉大学が世界の各地・機関にアクセスでき、世界のどこからも埼玉大学にアクセスできる国際通用性を持つ大学という意味です)。その中身は、質の高い留学生の確保、それぞれの目的に適った日本人学生の海外留学の推進、海外活動拠点の形成、国際共同研究の推進・支援、地域の国際化への参画・協力、卒業生への情報提供、卒業生とのタイアップ等々多岐に及んでいます。これは本学の国際交流・連携活動について採るべき方向を定めた指針ですが、できるところから順に実行していくということで、一部についてはすでにアクション・プランを策定し、実施し始めております。例えば、国際交流協定締結についてはこの観点から見直し、交流協定網の再構築を開始しています。

埼玉大学国際交流戦略構想は、埼玉大学が「地域に根ざし、世界に開かれた大学」として、(1)学生交流・教育、(2)研究、(3)地域の国際化への貢献の3分野において採るべき方策、さらには(4)これら3分野を支える実施体制について定めております。以下、本構想の概略をご紹介いたします。

埼玉大学国際交流戦略構想:概略

(1)多様で活発な双方向学生交流:協定校との均衡の取れた活発な交流と、優秀な留学生の獲得

1.国際的に活躍できる人材を育成する特色ある派遣プログラム:

単一の大学との交流のみならず、コンソーシアム型の交流を含め、多様な派遣プログラムを用意し、日本人学生の留学を奨励する。そのための具体的施策としては、例えば、次のようなものがあげられる。

  1. 優秀な学生に対し、交流協定大学での教育・研究の機会を提供するエリート・プログラムを立ち上げる。
  2. 交流協定大学と本学とで両学位を取得できるダブル・ディグリー・プログラムを立ち上げる。
  3. 多くの学生に海外体験と語学力向上の機会を提供する海外集中語学研修プログラムを立ち上げる。

2.優秀な留学生を受け入れるため、新たに次のような留学生施策を展開する。:

  1. 入口の整備として、海外向けホームページを充実させ、本学の情報の入手をより容易にし、タイムリーな情報発信に努める。
  2. 出口の整備として、きめ細かい就職支援活動を行う。また、卒業生との連携を深めるため同窓会組織を構築し、新たな留学生施策の展開のために、それを積極的に活用する。

(2)自立した特色ある国際共同研究の推進と支援

  1. 海外の諸大学との連携を密にし、重点研究テーマを中核とした研究の国際的連携を強化する。
  2. 国内外の機関・財団等の国際交流助成事業に積極的に応募し、資金的に自立した国際共同研究を推進する。
  3. 研究交流が活発に行われている学術交流協定大学との関係を強化し、固有の特色ある国際共同研究を展開していく。
  4. 若手研究者の海外での研究機会の拡大に努めるとともに、本学における教育研究の質の向上を図るため、海外の優秀な研究者を招聘する。

(3)地域の国際化への貢献

  1. 埼玉大学と埼玉県内オンリーワン型地域産業との共同研究を推進し、その成果を世界に発信することで、埼玉大学および埼玉県・さいたま市の優位性を世界にアピールしていく。
  2. 多文化共生を目指す埼玉県の国際化教育事業や市民の国際ボランティア活動などに積極的に参加し、地方自治体・市民と一体となって地域の国際化に努める。
  3. 埼玉県、さいたま市および諸外郭団体との連携のもと、インターンシップの実施などにより、日本人学生の国際化を促進するとともに、留学生の地域企業への就職を支援し、地域へ有為な人材を提供していく。
  4. 埼玉県、さいたま市が継承する文化の魅力を世界に向けて発信していくために、埼玉大学は「知」をもって埼玉県、さいたま市と協働する。

(4)国際交流のための体制整備

  1. 研究・学生交流・語学研修等それぞれの留学目的に適った交流協定網を形成するために、協定締結大学を戦略的に選択する。
  2. JUCTe(日本国際教育大学連合)等から協力を受けつつ、国際交流・連携のための海外活動拠点を設ける。
  3. 埼玉大学に相応しい国際的コンソーシアムへの参加や新たなコンソーシアムの構築に努める。
  4. 不測の事態に適切に対処するために、危機管理体制を確立し、併せて緊急時に備えた支援ネットワークの形成を図る。
  5. 国際交流を担う人材を積極的に育成する。特に、職員の能力向上を図るため、海外研修制度を積極的に活用する。
  6. 地方自治体レベル、企業レベル、市民レベルでの重層的地域ネットワークを構築し、より地域に根ざした大学を目指す。